成功とはたゆまぬ努力としっかりした計画、そして幸運のようなものの組み合わせだと誰もが頭の中ではわかっている。にもかかわらず、たいていの人は何をするにも最初の段階でつまづいてしまう。
これは、成功に向けたプロセスが理論や計画の上では実際より簡単に思えるからだ。人々は意味のある成果を得るために必要な取り組みや試行、繰り返し行う作業の量を過小評価している。
成功の可能性を最大限に高め、妨げる要因を克服したいのなら、成功を阻む最も一般的な以下の3つの落とし穴に気をつけたい。
1. 即座の結果重視
私たちは、スピードが即座の結果やファーストフード、稼ぎにつながる時代に生きている。
多くの人は有意義なものを築くには時間と努力、そして一貫性が必要だと知っている。だが、それでも多くの人がすぐに結果が出る、リターンが保証されている、リスクがゼロだとうたう仕掛けに引っかかってしまう。このような売り文句は、それらは真実だと思い込んでいるときには特に魅力的に映る。
専門誌『Frontiers in Psychology(フロンティアーズ・イン・サイコロジー)』に2015年に掲載された研究では、200人以上を対象に衝動性と意思決定の関連性を調べた。その結果、後から報酬を得られるという保証か、今すぐリスクのある報酬かの選択を迫られたとき、衝動的な人はたとえ結果がどうなるかわからなくても一貫して「今すぐ」を選ぶことが明らかになった。
衝動的な人にとっては、リスクそのものよりも待つことの方が苦痛だったのだ。ほとんどの人は何かを始める前にやめてしまう。コースを購入し、しばらくそのプランに従った後、すぐに結果が出ないとやめてしまうかもしれない。
失敗の兆候を目にすると、うまくいっていないと思い込むかもしれないが、実際は十分な時間をかけていないだけだ。ある計画から別の計画へと切り替え、最終的に自分には効果がないと結論づけることもある。
専門誌『Current Psychology(カレント・サイコロジー)』に2023年に掲載された別の研究では、自己効力感と自制心を強化すると、人は満足することをすぐには求めない可能性が高くなることがわかった。
自己効力感とは、ストレスを受けたり自信がなかったりするときでも、自分はやり続けることができ、物事を理解して前進することができるという信念のことだ。自制心とは、長期的な目標を達成するために自分の衝動や感情、行動を管理する能力のことだ。



