3. 自己奉仕バイアス
自己奉仕バイアスがある場合、昇進やプロジェクトの大成功など何か良いことが起きたときには、自分の手柄にする。だが、解雇や減給など何かよくないことがあると、職場の政治や不公平な上司、理不尽な納期など、自分以外のせいにする。
前進するためには変化が必須だ。何かがうまくいかないときは戦略を変え、別のアプローチを試すのが最善の策だ。自己奉仕バイアスが成長や学習、適応を妨げるのだ。自分の欠点を見つけ、アプローチがうまくいっていないことを認めることが難しくなる。
専門誌『Frontiers in Psychology(フロンティアーズ・イン・サイコロジー)』に掲載された2017年の研究では、人は好ましくない出来事の責任が自分にあることが明らかな場合でも、自分の誤りを認めようとしないことが示された。研究の参加者らは、他人を非難することで自己イメージを守っていた。
興味深いことに、このような行動は研究参加者が観察あるいは記録されていることを知っているときでも見受けられ、非を認めることや責任を受け入れることに関して、自己奉仕バイアスがいかに根深いものかを示している。
目標に向かって努力するときには、このバイアスを認識して避けることが不可欠だ。その方法を以下に挙げる。
・すぐに外的要因のせいにすることなく、正直に自己反省する:「私はこの結果にどう貢献したのか。この結果を招いたのは努力不足だったのか、ビジョンが不明確だったのか、それともミスだったのか」と自問する。
・信頼できる人からの率直なフィードバックを求める:異なる視点を取り入れることで、自分が間違っていることに気づきやすくなり、責任を受け入れて失敗を糧に成長できる。
自己奉仕バイアスは、自分のエゴを不当に守るために組み込まれている。上記のシンプルな2段階のプロセスは、有意義な結果を出すのに必要な説明責任と自己認識を築くことに役立つ。
真に成功するには、自己信頼と現実的な見方、変化への寛容さのバランスをとることが不可欠だ。これを知れば知るほど成長できる。


