次に新しいスキルを身につけたり、プロジェクトや趣味を始めたりするときは、以下の3つにチャレンジしてみてはどうだろう。
・辛抱強く待つ:試行錯誤を繰り返せば上達するが、それには時間がかかる。「最初が一番難しい。最初を乗り越えれば楽になる」と自分に言い聞かせる。
・どれくらい取り組むかを決める:これにより確実性が増し、進歩が保証される。例えば、100回やるまでやめない、1時間の練習を100日間するまでやめない、と自分に約束する。もっと小さな設定にしてもいいが、一貫して取り組むこと。
・理不尽に聞こえるかもしれない制限を設ける:そうすることで、早く結果が出るという期待が低くなる。例えば、100回目の挑戦までには、たとえ思ったほど早くなくても成功する可能性が高いという確信が持てるようになる。
2. 楽観性バイアス
楽観性バイアスは、物事が好ましい方向に進む可能性を過大評価し、直面するかもしれない挫折を過小評価する。このバイアスは、困難に直面したときでさえ期待値が大きいままであるため、問題の克服が難しくなる。
前向きな期待は意欲や自尊心、回復力を高めるが、避けられない挫折に直面したとき、楽観性バイアスを持っていると現実を直視できないかもしれない。
専門誌『Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry(ジャーナル・オブ・ビヘイビア・セラピー・アンド・エクスペリメンタル・サイキアトリー)』に2024年に掲載された研究によると、人は悲しみを経験すると、非現実的な楽観主義に陥る可能性が低くなることがわかった。
もちろん、これは成功するために悲観的にならなければならないという意味ではない。ただ、現実的になることで起こりうる障害に対して注意深くなり、それに応じた準備ができるようになる。
次の目標を達成するために試せることを、いくつか挙げてみよう。
・期待のバランスをとる:楽観性バイアスとは、ポジティブな期待を抱くという人間の自然な傾向のことだ。ポジティブ、ネガティブ両方の情報を意識的に探し出して考慮する必要がある。例えば過去の証拠や、計画が意図した通りに進まなかった同様のプロジェクトで直面した困難を振り返り、現実に基づく視点を養う。
・現実的に計画を立て、柔軟に:挫折や遅れを考慮に入れて目標を設定する。気分が落ち込んだり無気力になったり、あるいはやる気がなくなったりすることも想定しておく。良いことも悪いことも含めて、自分の期待に柔軟に対応する。
・感情を管理する:感情の状態は楽観性バイアスに影響する。過度にポジティブになったりネガティブになったりしたときは、自分の考えをそっと疑おう。目標に向かって着実に前進するために、衝動に駆られないようにする。


