ドナルド・トランプ米大統領は13日、自身の支持率が共和党所属の歴代大統領で最高となっていると主張した。ただ、今週発表された2件の世論調査結果ではトランプの支持率がいずれも50％を下回っている。トランプは前回の大統領任期中にも、自身の支持率について信ぴょう性が疑われる同様の主張をしていた。
トランプは自身のSNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「ワオ！ 史上最も支持率の高い共和党大統領だ！ ありがとう」と表明。これがどの世論調査での支持率に言及したものかははっきりしないが、CNNが先月、各世論調査の結果を総合したデータを指している可能性がある。それによると、大統領就任から5カ月時点でトランプを強く支持する共和党支持層の割合は、第1期では53％だったが、第2期では63％と上昇。CNNの司会者ハリー・エンテンはこれを、1980年代のロナルド・レーガン政権以降の歴代共和党大統領を上回る「歴史的」支持率だと評した。
しかし、民主党支持層や無党派層も含めると、トランプの支持率はジョー・バイデン前大統領に並ぶ歴代最低水準だ。米国で最も古くから大統領支持率を調べている調査会社ギャラップによれば、トランプの平均支持率は第1期・第2期ともにハリー・トルーマン（1945～53年在職）以降の歴代大統領で最も低く、第2期の平均支持率（42％）はバイデンと同率で史上最低となっている。
一方、今週発表された2件の調査では、トランプの純支持率（支持率から不支持率を引いた値）はマイナス12～マイナス6の範囲だった。純支持率は、英経済誌エコノミストと調査会社ユーガブが共同実施する週間調査では前週から2ポイント上昇。一方、米調査会社モーニング・コンサルトの週間調査では3ポイント下落し、支持率は第2期で最低となる45％に戻った。
トランプは第1期中の2018年7月にも「共和党史上最高の支持率」とツイッター（現X）に投稿していた。だがポリティファクトはギャラップのデータを引用し、同時期の支持率は85％であり、ジョージ・H・W・ブッシュやドワイト・アイゼンハワーを下回ったと指摘している。
2023年7月10〜16日に調査会社ピュー・リサーチが実施した調査では、共和党支持者および共和党寄りの米成人の37％が、過去40年間で最高の功績を残した大統領としてトランプを挙げた。ロナルド・レーガンを挙げた人の割合は41％で、トランプを上回った。
ユーガブの調査によれば、第2期開始以来、共和党支持層でのトランプ支持率は低下傾向にある。1月時点で共和党支持者および共和党寄り無党派層の92％がトランプを支持していたが、その割合は今月12日時点で83％まで低下した。
ネイト・シルバーがまとめた各世論調査結果の平均データでは、トランプの支持率は1月の第2期開始時には52％だったが、3月中旬には不支持が支持を上回る状態に逆転。現在では、支持率44％に対し、不支持率は52％となっている。6〜7月は主に大規模な関税政策を理由に大幅な下落が見られたが、過去2週間はおおむね安定し、8月1日以降の純支持率はマイナス8.5～マイナス8.9の範囲で推移している。
