北米

2025.08.14 09:30

期待高まる9月の「米金利の引き下げ」、今知っておくべきことまとめ

Chip Somodevilla/Getty Images

Chip Somodevilla/Getty Images

米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に、利下げに踏み切るとの期待が高まっている。予想よりも良好なインフレ指標と、ウォール街の恐怖指数が今年の最安水準に低下したことが追い風となり、S&P500種株価指数とナスダック総合指数は米国時間8月13日の取引でそろって過去最高値を更新した。

CMEのFedWatchツールによると、9月17日に開催される金融政策決定会合で、FRBが現在4.25%から4.5%に据え置かれている政策金利を0.25ポイント引き下げる確率は99.9%に達している。

7月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で2.7%の上昇(市場予想は2.8%)したと13日に発表されたことで、この確率は94%超に上昇した。その前日は約86%だった。

今後1カ月間の株価変動予想を示す指標であるVIX指数は、13日早朝に14.40を下回り、1月24日につけた14.58以来の低水準を記録した。

LPL Financialのチーフエコノミストであるジェフリー・ローチは12日、食料品とエネルギーを除いたコアインフレ率が6カ月ぶりの高水準となり、なおFRBの目標2%を上回っているにもかかわらず、雇用拡大が過去3カ月間で鈍化していることから、FRBは「弱含む労働市場」に焦点を当てて来月の利下げに踏み切るとの見方を示した。

一方、Oxford Economistsの副チーフエコノミスト、マイケル・ピアースは、FRBは「あと数カ月は利下げを見送るだろう」との見解を示したが、弱い雇用統計が続けば「早期の利下げを余儀なくされる」とも指摘している。

13日の取引開始直後、S&P500とナスダックはそろって過去最高値を更新した。S&P500は一時6480ポイントを上回り、ナスダックは2万1803ポイントを突破した。パラマウント・スカイダンス(23%高)、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(6.2%高)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(5.5%高)、テスラ(1.9%高)などの上昇が寄与した。ダウ平均株価はユナイテッドヘルス・グループ(3.7%高)、ナイキ(3.2%高)、IBM(2.2%高)などの上昇を背景に400ポイント超(0.9%)上昇した。

次ページ > FRBは7月の会合で、2人の理事が少なくとも0.25ポイントの利下げを支持した

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事