働き方

2025.08.16 10:00

5分で燃え尽き防止と生産性アップ、通勤・休憩中にできるマインドフルネス3選

Shutterstock.com

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米国では8月は「ウェルネス月間」で、セルフケアやバーンアウト(燃え尽き症候群)予防、健康的な毎日の習慣に注意を向ける時だ。大規模なレイオフが行われ、経済は不安定で、政治や社会が混乱している時代にあって、ストレスレベルが上昇し、人生が手に負えないように感じるのは自然なことだ。だが毎日わずか5分のマインドフルネス(今この瞬間に集中する心の持ち方)で精神的なリラックスと活力を同時に得ることができ、仕事や暮らしに落ち着いて、かつ楽しく向き合えるようになる。

現在に意識を向ける

マインドフルネスがストレスの軽減やウェルビーイング、仕事の生産性の向上、キャリアの成功に関連していることは科学でますます証明されている。おそらくあなたは、支払っていない請求書や未完成のプロジェクト、締め切りのことでやきもきしている。上司との意見の相違を思い返し、次に解雇されるのは自分ではないかと心配しているかもしれない。

マインドフルネスは、あなたの心が本能的な心の働きに流されないよう訓練する。未来の心配(解雇されたらどうしよう)や、過ぎ去ったことに関する後悔(会議で発言しておけばよかった)に気持ちを向けるのではなく、現在に意識を向け、その瞬間を味わい、人生に感謝する。神経科学の点からみると、仕事の合間にたった5分間マインドフルネスを取り入れるだけで自分の心の習慣的な働きに気づけるようになり、社会との関わりに関する脳の神経回路を活用して心をリセット・充電できる。

自分を2車線の高速道路だとイメージするエクササイズ

自分を2車線の高速道路だと考えてみよう。外側の車線と内側の車線がある。ほとんどの人は、外側の車線で日々の仕事のことを考えている時間が長い。だが、精神面でのウェルビーイングを高める鍵は、両方の車線で考えるのではなく気づきの時間を増やすことにある。外側の車線(あなたの周りで起きていること)に好奇心をもって気づくこと、あるいは内側の車線(現在の考えや気持ち)に好奇心をもって気づくことだ。

必要なのは5分間と自分自身、座り心地の良い椅子やクッション、そして注意を削ぐものがない場所だけだ。これらが揃えば準備万端だ。すぐに始められるマインドフルネスのエクササイズをいくつか紹介しよう。手のシミを観察するように、常に好奇心を持って気づきを得よう。

「外側の車線」で外部の音に耳を澄ませる(5分間)

オープンアウェアネスとは、仕事をしながら、今この瞬間に自分の周りで起きていることを好奇心を持って観察することだ。簡単、かつ場所を選ばず実践できる4つのステップを紹介しよう。

(1)快適な場所に座り、1分間目を開けるか閉じる

(2)60秒のタイマーをセットする

(3)自分を2車線の高速道路だとイメージする。外側の車線で好奇心を持って耳を澄まし、できるだけ多くの異なる音に気づく。空調の作動音や遠くの交通の音、建物の中の声、時計の音、自分のお腹の虫の音などが聞こえるかもしれない

(4)60秒経ったら、それらの音を思い出そうとするのではなく、自分の内側の車線に注意を向ける。心拍数や呼吸数が落ち着き、筋肉がリラックスしていることに気づく。たった60秒でほとんどの人が冷静になり、頭が冴え、活力が湧く。このエクササイズを5分間やったらどう感じるか、想像してみてほしい

今この瞬間に好奇心を持って没頭していると、それまでの心配事やストレスを引き起こす考えが消えていることに気づく。心拍や呼吸がゆっくりになり、こわばった筋肉が緩んでいることに気づくかもしれない。それは思考マインドの警戒体勢を解き、気づきのマインドで今この瞬間に目をやり、休息・消化モードを活性化させたからだ。

「内側の車線」で自分の内面に注意を向ける(5分間)

マインドフルネスの最もシンプルな形態の1つは、呼吸に意識を向けて自分の内側の車線にアクセスすることだ。快適な場所に座り、目を閉じる。呼吸に気持ちを集中させて鼻から息を吸い、口から吐く。胸いっぱいに息を吸い込み、肺を空っぽにする。

そしてまた最初から同じ動作を行う。このサイクルを続けながら呼吸に注意すると、判断という形で考えるようになる。自分の行いを精査し、後でやらなければならないタスクを考え、時間を費やす価値があるのかどうか吟味する。思考を排除しようとしてはいけない。思考が生じるようにし、何が生じても広い心で受け入れ、注意をそっと戻して呼吸に集中する。

注意が呼吸からそれるたびに(それるものだ)、呼吸に意識を向け直す。次々と思考がわいたら、思考の流れからそっと離れて呼吸の感覚に注意を向ける。5分ほど経ったら目を開け、今この瞬間にどれだけ自分がつながっているかに気づこう。

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翻訳=溝口慈子

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