ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によれば、米国では2025年6月までの3カ月、金の総需要が前年同期比で2倍以上になった。
金価格に連動する上場投資信託(金ETF)への堅調な資金流入により、第2四半期の総需要は110%増の124トンに急増した、とWGCは報告している。
しかし、金現物の販売が低迷したため、前四半期比の需要は34%減少した。
WGCは、以下のように述べている。「金価格の高騰が、米国の消費者需要に引き続き重くのしかかったが、金ETFの力強い需要により、その影響は一部相殺された」。
WGCのデータによれば、地金価格は第2四半期、1オンス(約31.1g)当たり3280.35ドル(約48万2211円。1ドル=147円換算)という四半期記録を達成した。これは、前年同期比40%増、前四半期比15%増にあたる。
安全資産である金の価格は4月下旬には、1オンス3500ドル(約51万4500円)を一時的に上回る過去最高値を記録している。
ETF需要が急増
WGCのデータによれば、米国のETFは第2四半期に70トンの金を追加し、上半期の総追加量は203トンに達した。
6月末時点の総保有量は1785トンに増加し、運用資産(AUM)は1890億ドル(約27.7兆円)となった。
WGCの発表によれば、ETFの購入は、第1四半期に金投資需要の70%、第2四半期に56%を占めた。
その量はそれぞれ133トンと70トンに達し、10年間の平均である19トンを大幅に上回った。
WGCは、「北米における金ETFの累積純資金流入額は、7月までに220億ドル(約3.2兆円)に達した(中略)その99%は、米国を拠点とするファンドのものだ」と説明している。
さらに、北米ファンドへの資金流入は、「過去2番目の年間パフォーマンスを記録するペースで推移している」とWGCは補足している。
WGCのデータによれば、全世界における金ETFの投資額は、第2四半期に170トン増加している。



