なぜこれらのプロンプトが効果的なのか
基本的なChatGPTのプロンプトと、「エージェントモード」向けプロンプトの違いは、その範囲と実行能力にある。従来のプロンプトは単一のやり取りを想定している。ユーザーが質問し、AIが回答し、ユーザーが手動で次のステップを行うといった具合だ。一方、本稿で紹介するプロンプトは、完全な作業フローの自動化を目的として設計されている。
それぞれのプロンプトが持つ特徴は以下の通りだ。
・明確に指示された役割とタスクの範囲
・開始から終了までの論理的な手順
・出力形式や場所、品質基準の指定
・既存のツール、システムとの統合指示
このようにプロンプトを構成することで、単に良いアウトプットを得るだけでなく、これまで複数のツールを使い、何時間もかけてこなしていたタスクを完全に自動化できる。
ChatGPT「エージェントモード」の制限
現在、ChatGPTの「エージェントモード」は、Plus、Pro、Teamプランに契約するユーザー向けに提供されており、Enterpriseプラン向けにも間もなく公開される予定だ。無料プランでは利用できない(2025年8月13日現在)。
「エージェントモード」を利用できる有料プランと利用可能なセッセージ数(2025年8月13日現在)
・Plus:40メッセージ/月
・Pro:400メッセージ/月
・Team:40メッセージ/月
・Enterprise:40メッセージ/月。管理者の設定が必要
また、アプリ版を使う場合は最新版にアップデートしてから「エージェントモード」を使い始めよう。コネクター機能を使って、Gmail、Notion、Slackなど、利用したいアプリとChatGPTとの連携も忘れずに設定しよう。
ChatGPT「エージェントモード」を最大限活用するためのヒント
「エージェントモード」のパフォーマンスを最大限まで引き出すには、以下の点に留意しよう。また、こちらの記事も参考になるだろう。
・複雑な作業は番号付きのステップに分ける
・自動化したい作業や成果物を具体的に指定する(例:「10枚のスライド」「カテゴリー分けされたCSVファイル」)
・使用するツール名を明示する
・実行結果を見てプロンプトを改善する
・重要な作業には承認ステップを設定する
・実行結果の要約やログを要求して監視する
・背景情報、期限、品質基準を含める
ChatGPT「エージェントモード」を利用する前に注意すべきこと
購入やログイン、機密データの送信などの重要なアクションには、必ずユーザーによる承認が必要だ。ChatGPTの「エージェントモード」は強力だが、人間の監督が不可欠である。特に支払い関連や外部サイトと連携する際は出力をよく確認すること。一部機能は地域によって制限がかかる場合がある。
AIで職場で優位に立つために
「エージェントモード」は、業務自動化における新時代そのものだ。今からこれらのAIツールの使い方を学ぶ人は、現代のオフィスで大きな優位性を持つ。今日から「エージェントモード」でプロンプトを試し、生産性を向上させ、自分の自由な時間を増やそう。


