西アジア、トルコ共和国アナトリア南東部の大地。時の流れが塵と静寂の奥深く沈められた、その地中から新たな発見が得られた。
マルディン県ダルゲチト地区の険しい地形に抱かれた新石器時代の集落、ボンジュクル・タルラ。そこで考古学者たちが掘り当てたのは、ただの遺物ではなかった。石、黒曜石、大理石、そして自然銅で作られた唇や耳のピアスなど、1万1000年以上も前に人の身体を飾っていた装飾品だ。そしてそこには、アイデンティティ、通過儀礼、儀式、そして共同体への帰属といった物語が刻まれていた。
身体に綴られた文明
紀元前1万300年から紀元前7100年頃まで、不断に人が住みついていたボンジュクル・タルラは、その地の建築遺構や膨大な装飾品群によって考古学的注目を集めてきた。2012年以降に発掘されたビーズやペンダント、そして装飾品は10万点を超える。
だが近年、成人の埋葬遺構から発見されたラブレット(唇用装飾)や耳飾り状の遺物は、この発見の連鎖に新章を加えた。多くは下顎骨や側頭骨付近——まさに装着されていたであろう位置——で見つかった。さらに下前歯の微細な摩耗痕は、唇の装飾が長い間日常的に用いられていただろうことを示している。そこには、石だけでなく、歯のエナメル質と肉体に嘗ての身体文化の痕跡が刻まれていた。
「存在を刻む」装飾
現代ファッションにおける装飾の意味とは異なり、ボンジュクル・タルラのピアスは、シンボルとしての役割を大いに果たしていたようだ。子どもの埋葬には見られず、大人にのみ付けられている事実は、無垢から責任への移行、匿名から社会的存在への変容といった通過儀礼を示唆している。
人間の身体は単なる生物的存在ではなく、儀式と装飾によって意味が刻まれる神聖な「画布」であった。ピアスは単なる美的欲求を満たすものではなく、宇宙論における信念の具現化であり、自己と共同体、生者と祖先、可視と不可視を結びつける役割を果たしていた可能性がある。
沈黙と象徴の間に
文字のない世界では、意味は身振り、石、そしてリズムを通して巡り、身体そのものがテキストとなった。これらの装飾は、性別、地位、年齢、さらには霊的権威までも語った。他者から見られ、覚えられる存在であることの証だった。いわば、皮膚と魂に刻まれた宣言だ。そこから垣間見えるのは、遠く離れていながらもどこか親しい文明の姿。都市や帝国の時代以前にも、人々はすでに「自分は何者であり、何を信じるのか」を示すことを望み、生を運び、死へと導くその身体に印を刻んでいた。
ボンジュクル・タルラのピアス装飾は、人類の装飾史をさかのぼらせるだけではない。初期新石器時代の思想、美意識、社会構造に対する我々の理解を更新する。それは、アイデンティティは古代から存在する欲求であることを再確認させ、人類初期の集落においても、身体はすでに表現と儀式、そして意味の器だったのだ。
※本稿は「PopularArchaeology」からの翻訳である。



