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2025.08.13 09:00

イーロン・マスク、アップルがAI「Grok」を冷遇と主張 法的措置を表明

Photo illustration by Cheng Xin/Getty Images

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イーロン・マスクが、自身の運営するSNS「X」上でアップル批判を展開し、同社の「App Store」でXと自身のAIチャットボット「Grok」が冷遇され、Grokの競合であるOpenAI製品が優遇されていると主張した。

マスクは11日夜、Xへの投稿でアップルの公式アカウントをメンションした上で、「なぜ、世界でナンバーワンのニュースアプリであるXや、全アプリ中5位のGrokを『Must Have』セクションに掲載しないのか。政治的な理由か」と問いかけた続く投稿では「アップルはOpenAI以外のAI企業がApp Storeで1位を取ることを不可能にしており、これは明白な反トラスト法違反だ」と主張。自身のAI企業xAIが「即時の法的措置」を取ると述べたが、その具体的な時期は明かさなかった。

さらに、「アップルは米国人口の半分にとってインターネットの入り口だ。アップルはあらゆる方法でOpenAIを執拗に推し、他のAI企業の成功を不可能にしている」と非難。12日には、アップルを揶揄(やゆ)する投稿をリポストし、同社が「OpenAIに所有されているかのように振る舞っている」とまで述べた

OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はX上で、「マスクが自身や自社に利益を与え、競合や嫌いな人物に害を与えるためにXを操作したという話があることを考えると、これは驚くべき主張だ」と反論。さらに、マスクが自身の投稿の露出を意図的に高めていると指摘したITメディア「The Platformer」の記事を共有した

マスクは過去にOpenAIを提訴

OpenAI共同創業者の1人であるマスクは昨年、OpenAIが「人類の利益」のためのオープンソース汎用人工知能(AGI)開発という創設目的を放棄し、利益最大化を優先しているとして、同社を提訴した。マスクとサム・アルトマン、グレッグ・ブロックマンの3人は2015年、非営利のAGI開発組織を立ち上げることで合意。AGIは安全性に関わる場合を除きオープンソースとすることが取り決められていたが、マスクはOpenAIが営利化に舵を切り、アップルやマイクロソフトと商業提携したことで合意に違反したと主張している。

一方のOpenAI側は、2017年にマスク自身が目標達成には「営利企業」が必要と認め、CEOおよび大株主になることを望んだが条件が合わず、2018年2月にOpenAIを離れて自身の企業であるテスラでAGI開発を進める計画を立てたと反論している。

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翻訳・編集=遠藤宗生

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