7.『セルダ211』(Cell 211)(2009):47レビュー — 98%支持率
『セルダ211』は、欧州の刑務所制度の更生機能不全と投獄に対する社会の態度を痛烈に批判する作品だ。特に、スペインが抱えてきた「ETA(Euskadi Ta Askatasuna、バスク祖国と自由)」(そのメンバーが政治的な駆け引きの材料として受刑者たちに人質に取られるバスク分離主義グループ)との緊張に満ちた歴史という文脈においては、その批判はさらに鋭くなる。悲しいかな、この海外での闘争はアメリカの観客にはあまり知られておらず、『セルダ211』のような映画がより広く届くには、批評家の強い支持が必要となる。
幸運なことに、Rotten Tomatoesで47人の批評家から絶賛されたこの緊張感あふれる社会派作品は、そのような闘争についてもっと知りたいと願うNetflix加入者なら誰でも視聴可能だ。
映画は、新人看守のフアン・オリベル(アルベルト・アンマン)が、勃発した刑務所の暴動のさなかに意識を失うところから始まる。暴力的な受刑者たちと共に内部に閉じ込められた彼は、生き延びるために殺人罪で有罪判決を受けた囚人のふりをし、やがて危険な暴動のリーダー、マラマドレ(ルイス・トサル)の信頼を得る。フアンが新たな「人格」に深く入り込むほど、彼は受刑者たちのエスカレートする人質危機に引き込まれていく。
監督はダニエル・モンソンで、原作はフランシスコ・ペレス・ガンドゥルの2003年の同名小説。批評家たちは、何年も続いており近いうちに解決される見込みがない現実世界の問題を、圧力鍋のように高まる緊張と共に展開し、これまでと違った角度から照らし出す方法を称賛したした。
8.『ペーパー・タイガース』(The Paper Tigers)(2021):62レビュー — 98%支持率
【2025年8月12日時点では日本未配信】
Rotten Tomatoesで100%近い評価を得るアクション映画は珍しい。独立系ドラマやドキュメンタリーが批評家の絶賛を得やすいのに対し、ジャンル映画が同レベルの評価を獲得するのははるかに困難だからだ。それが、武術映画『The Paper Tigers』が非常に異例な存在である理由だ。本作は、温かく魅力的なコメディと迫力ある殺陣(アクションの振り付け)を、映画を見ているごく普通の人々と感じられるような本物のキャラクターを通して見事に融合させている。その結果、親しみやすくも非凡であり、心地よくも魅惑的な作品が生まれている。
ベトナム系アメリカ人映画監督クオック・バオ・トラン(本作が唯一の長編監督作)によるこのユーモアあふれる映画は、かつて子供時代のカンフーの天才だったが、今では体がなまってしまった3人の男性――ダニー(アラン・ウイ)、ヒン(ロン・ユアン)、ジム(マイケル・シャノン・ジェンキンス)――が、行き詰まった仕事と緊張した家庭状況に悪戦苦闘する姿を追う。
彼らの元師匠であるシフ・チョン(ロジャー・ユアン)が突然不審な死を遂げた後、彼らは再会し、その死を調査して復讐を誓う。その過程で、友情を再燃させ、かつて共有した規律と仲間意識を再発見していく。トランは、スタジオによるホワイトウォッシング(原作で非白人のキャラクターを、映画化などの際に白人俳優が演じること)を排し、アジア系アメリカ人のキャラクターを中心にした物語を創造しようと、2011年にこのコンセプトを練り上げた。
Rotten Tomatoesで98%の評価を与えた批評家たちは、ウイ、ユアン、ジェンキンスの間の力強い関係性、そしてアクション監督ケン・クイタグアによる地に足の着いた武術シークエンスを一貫して称賛した。このカルト的な人気を誇る作品は、アジア系ディアスポラ(離散民族)の経験に根ざした武術物語であり、ジャンルのノスタルジーと文化的感情の両方を取り入れている点で際立っている。


