食料不安
収入は、購入できる食品の質と量に重大な影響を及ぼすものだ。高所得世帯はより栄養価の高い食品を入手しやすいという恵まれた環境にある一方、低所得世帯は、安価で健康に良くない加工食品を購入せざるを得ない可能性がある。
ジャーナル『International Journal of Environmental Research and Public Health』の調査結果によると、より健康に良い食品の1食分あたり価格は平均的に、不健康な食品の2倍近くになるという。安価な加工食品はたいてい、より多くの糖分と脂肪、塩分を含んでいる。こうした食品は栄養不足のほか、糖尿病や心血管疾患、肥満といった慢性疾患の原因にもなる。
ストレス/メンタルヘルス
経済的な安定は、精神的なウェルビーイングにもつながる。例えば、困窮する人たちは次の食事の心配をしたり、食べ物を入手できるかどうかに不安を抱えたりする。そして、そうした心配は強い不安やうつ病の要因となり、メンタルヘルスにひどい悪影響を及ぼすことになりうる。
『サイエンス』誌に(2020年12月に)掲載された論文によると、低所得層の人のうち、不安障害やうつ病、その他の精神疾患を発症する人の割合は、高所得層の1.5~3倍になっている。だが、これは驚くべきことではない。
所得の不平等によって引き起こされる明白な、そして深刻な健康格差を縮小するために、必要なものは何だろうか? 明らかに、すべての人が医療保険に加入できることも、その答えとなるだろう。
健康関連の問題を取り扱う米KFFニュースが発表した調査結果では、医療保険制度改革法(ACA、通称「オバマケア」)の整備によって医療保険に加入することができていた人は、2024年の時点でおよそ4400万人となっている。
安全で手ごろな価格の住宅を提供するための投資や、低所得地域で栄養価の高い食品をより入手しやすくすること、全米の貧困地域のがんの罹患率を低下させるための重要な医療サービス(予防検査など)を拡充させることに向け、政治家と地域の活動家らが協力していくことなども不可欠だ。
所得と健康には、切り離すことができない関連性がある。所得の不平等によって引き起こされる健康格差の問題に対応するための、さまざまな取り組みが必要とされている。


