キャリア

2025.08.17 13:00

「昇給なしの昇進」を打診されたらどうすべきか――企業側の狙いは?

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交渉した方がいい場合と、効果的な交渉術

昇給なしの昇進は、メリットもあればデメリットもあって判断が難しいと思ったときは、交渉することが最善の道になるかもしれない。会社側に財務的な制約があり、すぐさま昇給できない可能性もあるが、こちらに有利な形で話をまとめる手段はほかにもある。次のような条件を目指して交渉してみよう。

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・給与の見直しを、一定の業績と連動させる
・新しい役職にうまく移行できた場合に、一時的なボーナスが支払われる
・勤務時間や勤務地の選択肢が増える
・有給休暇が増える
・プロフェッショナルとしての能力開発(資格取得や研修プログラムなど)を金銭的に支援してもらえる

自分の希望を具体的に伝える

交渉を成功させたいなら、カギは明快さだ。自分の希望を具体的に伝え、自分の要望と、具体的な成果を結びつけ、ためらわずに自信をもって話し合いに臨もう。

例えば、こんなふうに切り出そう。「このような機会を与えていただき胸が躍りますし、新たな役職で成果を出せる自信もあります。ただ、責任が増すことを考えると、実績に応じた賞与体系か、半年後の給与見直しについて、ぜひご相談させていただきたいと考えています」。

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自分のやり方でキャリアを築く

昇給なしの昇進であっても、絶対に損をするとは限らない。しかし、スムーズに事が進むことはまれだ。キャリアという点で、長期的ならびに短期的に、どのような価値が得られるかを慎重に見極める必要がある。

オファーされた新しい役職に就けば、貴重な成長を遂げ、社内での注目度がアップし、将来的には確実に見返りが得られるという場合は、「イエス」と答える価値があるかもしれない。一方で、搾取されそうだとか、先があまり見えないとか、釣り合わないという印象を受けたなら、異議を唱えるか、断わる方がいいだろう。

覚えておいてほしい。プロフェッショナルとしてどのような決断を下そうとも、それは、自分が仕事にどのような価値を置いているのかについて周囲に伝えることになる。成長できる機会があると判断して「イエス」と答えれば、それは力強い決断だ。搾取されそうだと感じて「ノー」と答えるのもまた、力強い決断である。

どのような選択をするにせよ、現在の自分だけでなく、これからどうなりたいのかを反映した決断であるべきだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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