今回の最新探査計画の目的地は、いて座A*ではなく、まだ見つかっていない別のブラックホールだ。このブラックホールは、地球から約20~25光年以内に存在する可能性が高いと見られている。
バンビは「ブラックホールを見つけるための新たな方法は複数ある」として「今後10年以内に地球近傍のブラックホールが見つかると期待してよいと考えている」と述べている。ブラックホールの検出が困難なのは、実質的に望遠鏡では見えないからだ。近くを通る光や恒星に及ぼされる影響によってその存在を推測することしかできない。
ブラックホール探査:長い待ち時間
太陽系に最も近いブラックホールの位置特定を急ぐ必要はない。現在のところ、このような探査機を打ち上げる方法がないからだ。バンビは「今のところ人類にはその技術がない」として「だが、20~30年以内には実現するかもしれない」と述べている。
マイクロチップ1枚と光帆(ライトセイル)で構成されるナノクラフトを、地球から照射するレーザーを推進力として宇宙空間を光速の3分の1の速度で飛行させる構想だ。この速度では、20~25光年を移動するのに約70年かかる。
ブラックホールに到達すると、ナノクラフトは事象の地平線が存在するかどうかや、ブラックホールの近くで物理法則が変化するかどうかを調査する。収集した観測データは地球に送信されるが、このプロセスに20年かかるため、探査計画全体で合計約80~100年を要することになる。
バンビは「本当に突拍子もない、ある意味SFに近い話だと思われるかもしれない」として「だが、重力波は弱すぎるため検出できないと言われていたけれども、100年後には検出された。ブラックホールのシャドウ(ブラックホールの重力で曲げられた光が事象の地平線の周囲をリング状に縁取る中に影として見える部分)は観測できないと考えられていたが、50年後の今日には2つを捉えた画像が得られている」と話している。


