働き方

2025.08.12 12:00

AIが仕事を奪うと決めつけるな、劇的に生産性の高い「スーパーワーカー」になる術を学べ

OSTILL / Getty Images

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米国の労働者の半数超(52%)が職場におけるAIの将来の影響を懸念していると、Pew Research Centerは報告している。その一方で、The Josh Bersin Companyの新しいデータは際立つ対比を示している。AIは仕事を消すのではなく「スーパーワーカー」を生み出し、従来型の働き手よりも30%〜400%高い生産性をもたらしているという。こうしたモデルを受け入れる企業は人員を削減しているのではない。既存の人材を育成し、前例のない成果を上げているのである。

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確かに、極めて定型的で反復的な作業に基づく一部の職務は完全になくなるだろう。しかし、より広い文脈で見れば、起きているのは大規模な置き換えではなく変革なのだ。真のボトルネックは技術そのものではない。強力なAIツールを扱える熟練人材を十分に確保することにある。AIは人間を置き換えるのではなく、創造性、判断力、複雑な問題解決といった人間固有の価値を増幅する。問うべきは「AIが仕事を奪うかどうか」ではない。「その能力を活用して、不可欠な存在になれる準備が自分にあるかどうか」なのだ。

スーパーワーカーとは何か

スーパーワーカーとは、職場でAIを活用し、自らの生産性・パフォーマンス・創造性を劇的に高める人を指す。膨大な情報を瞬時に処理し、従来は数日かかった作業を数時間でこなす、高度に知的なアシスタントを持つようなものだと考えればよい。

最も成功しているハイパフォーマーは、会社がAI研修を義務化してくるのを待ってはいない。AIツールを試し、それらの能力を自分のワークフローに統合しており、品質を維持したままアウトプットを倍増させている。彼らを際立たせているのは、変化を受け入れ、プロセスではなく成果に焦点を当てる姿勢である。

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AIは仕事をどう変えるか

いま職場で進んでいる変革は、仕事や生産性の捉え方を作り替える予測可能な4段階のパターンに従う。

1.支援(Assistance)

AIツールが日々の作業を加速する。たとえばMicrosoft Copilotでメールを要約したり、デザイン案を生成したりする。職務内容は同じだが、仕事のスピードが上がる。

2.拡張(Augmentation)

AIが定型的な作業を担い、人はより高付加価値の仕事に集中できる。アナリストはAIにデータ処理を任せ、洞察の提供に注力する。カスタマーサービス担当者はAIで情報に即時アクセスし、複雑な課題を解決する。

3.選択的な置き換え(Selective Replacement)

単純な質問に答えるチャットボットや、定型的な融資を承認するシステムのように、特定の反復プロセスをAIが完全自動化する。一部の職務は消えるが、これらのAIツールを管理・改善する新たな役割が生まれる。

4.自律システム(Autonomous Systems)

AIがワークフロー全体を実行し、人は重要な意思決定を監督する。たとえば採用候補者のスクリーニングをAIが行い、最終判断を採用担当者が下す、あるいは人間が方向性を定め、AIがマーケティングキャンペーンを自動実行する、といった形だ。

大半の仕事は「消える」のではなく「変わる」。各段階は、AIと並走できる人に新たな機会を生む。

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翻訳=酒匂寛

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