2025.08.16 09:15

働きながら旅をする「おてつたび」、中高年・シニアに拡大

プレスリリースより

利用者と事業者の広がり

登録ユーザーは2021年の5000人から、2025年7月時点で8万2000人に増加した。登録事業者数も2000件を突破し、ホテルや旅館、農業・漁業などの一次産業をはじめ、ゲストハウス、キャンプ場、酒造会社、水産加工、飲食店など業種の幅も広がっている。

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利用者層は半数が10~20代のZ世代だが、50代以上の利用も拡大している。早期退職者や子育てを終えた主婦などが多く、物価高騰による節約志向や、テレワーク・ワーケーションの普及による自由なライフスタイル、また地方移住への関心の高まりがこのサービスの利用を後押ししているようだ。

中高年・シニアが参加する理由

50歳以上の経験者アンケートでは、このサービスを利用した理由として以下の声が寄せられている。

・長期滞在で地域の魅力を感じたい。
・モデルコース観光では物足りず、暮らすように滞在したい。
・退職後の新しい挑戦として。
・一人旅に加え地域との交流を楽しみたい。
・子育て後の自分の時間を活用したい。

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また「滞在費を抑えつつ、人の役に立てる」ことも魅力としてあげられた。

プレスリリースより

サービスが目指す未来

「おてつたび」は、地域の人手不足という課題を新たな旅の目的に変え、観光を超えた交流を創出している。旅人ひとりが複数の役割を担いながら人・資源・お金を循環させるエコシステム構築を目指し、人口減少社会における新しい地域活性モデルを志向している。

また、観光消費や交流人口の増加だけでなく、「関係人口」の創出という長期的効果にも着目したい。特に中高年層の参加は、労働力の確保と地域定住の促進、その両面に寄与する可能性があるからだ。

観光地の一員として働き、地域の暮らしに触れる数日間は、単なる旅行では得られない充実感をもたらすだろう。実際、筆者もこの記事を書きながら、サービス内の「年齢不問のアルバイト」をチェックしているが、仕事と行き先のラインナップを眺めているだけでワクワクしてしまう。この夏、旅の形を変えたいと思うなら、「おてつたび」はそのきっかけになるかもしれない。

プレスリリース

文=福島はるみ

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地域と観光が面白くなる新局面

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