経済・社会

2025.08.19 15:15

「共創都市・渋谷」への挑戦。次の10年、渋谷が世界に示すべき都市モデルとは?【後編】

左から筧、有福、長谷部、嶋本、加生

渋谷を最先端テーマの「実験フィールド」にしていくには?

加生:少し企業の観点でお話をしていきたいと思います。

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今、「ウェルビーイングを大事にしたい」「サーキュラーエコノミーを推進したい」という企業は増えている一方で、「どう始めたらいいかわからない」「社外にフィールドがない」という声もよく聞きます。そういう区外の企業に対して、「渋谷がその実験のフィールドになりますよ」と提案できると考えています。

嶋本:さきほど、区長がおっしゃっていた防災協定都市の話にも関わりますが、たとえば「次の10年」では渋谷以外の都市からもメンバーに参加してもらう、そんな展開があっても面白いですよね。むしろ、今回掲げたテーマは、もはや渋谷だけ、日本だけに閉じた話ではないと思っています。

これまでの10年は、渋谷の中で渋谷の課題を扱うことが多かった。でもこれからは、「渋谷という都市を1つのフィールドとしながら、外とどうつながり、新たな価値を生み出していくか」が問われていく。グローバルなテーマに対して、ローカルな現場がどう応答するか。その意味でも、今回の建付けはすごくいいと感じています。

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:スウェーデンの事例で面白かったのは、彼らは”Greener Means Richer”と言う「グリーン=儲かる」という価値観と明確な方針をしっかり持っていることでした。

よく「社会的な変化は、2:6:2の中で、まず2が動き、徐々に6へ広がる」みたいな話がありますが、スウェーデンでは「最初からグリーンなことをしたら6が儲かる環境や政策を作っているのではないかと思うんです。

そういう意味で、企業を招き入れながら、グリーンであることが利益になるビジネスやサービスを渋谷で実験できるようなったらいいな、と感じました。

もし、渋谷にサステナビリティ特化のフューチャーセンターが出来たら?

加生:フューチャーセッションズが15周年となる来年度を目指して、新たなフューチャーセンター構想があると聞きました。

有福英幸(以下、有福):はい、まだ構想段階ではありますが、スウェーデン視察の影響もあって、渋谷にサステナビリティに特化したフューチャーセンターをつくれたらというアイデアが出ています。

もともと私たちはクロスセクターで問題解決を進めてきましたが、さらに気軽に相談やアイデアを持ち込める「物理的な場」があってもいいのではと考えています。

そこに「つなげる30人」のメンバーが関わることもあるでしょうし、もっとフラットに、多様な方々が気軽に集まれる場を設け、そこで対話し、知恵を出し合い、具体的な解決策を生み出す━━そうしたプラットフォームを、渋谷らしくデザインできれば面白いと思います。

例えば、原宿の象徴的な課題の一つであるテイクアウトした食べ物のゴミを、紙素材に切り替えて分別・リサイクルし、街の景観も改善する。こうした具体的なアイデアを、ポップで発信力のある形で展開できるのが渋谷の強みではないでしょうか。

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文= 加生 健太朗

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