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2025.08.11 12:30

あなたの息子や娘は、勉強にChatGPTを使うべき? 保護者のAIリテラシーが生む「分断」

Shutterstock.com

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米国学生の3分の2は、すでに週に複数回、学業に人工知能(AI)を利用している。これは未来の予測の話ではない。今まさに起きている事実だ。

今や問うべきは「生徒がAIを使うかどうか」ではない

オンライン語学学習プラットフォーム「Preply」による新たな調査によると、生徒は単にAIを試しているのではない。生徒はAIについて学び、さまざまな課題をこなすプロセスの中に組み込んでいる。36%の生徒は、学校の授業と自宅の両方でAIを使用している。また、アーカンソー州、ミシシッピ州、テキサス州の生徒は、AIの利用率が全米平均を上回っている。

生徒と保護者がAIに関して不安を感じているかどうかが気になるところだが、90%が「AIを責任を持って使いこなす能力に自信がある」と答えている。

これが、現代の教室の有り様だ。ChatGPT、Google Gemini、XのGrok、Microsoft CopilotといったAIツールが使われており、英語・数学・歴史といった重要科目で活用されている。

今や問うべきは「生徒がAIを使うかどうか」ではなく、多くの子どもがAIとともに考えられるように、私たちがどれだけしっかりと準備ができているかだ。

教育分野におけるAIの明らかな利点は、オンデマンドの支援、即時フィードバック、強力な調査ツールへのアクセスが挙げられる。しかし、これらのメリットには隠れた代償が伴う可能性がある。

利便性の裏に潜む認知的リスク――AIは思考力を奪うのか?

神経科学の最新研究では、言語に関する課題でAIに頼ると、推論・注意・意思決定を司る脳の領域である前頭前皮質の活動が低下する可能性を示唆している。この懸念を裏付けるように、コーネル大学とマイクロソフトリサーチによる共同研究では、AIのライティング支援を受けた参加者は、自力で作業をした参加者と比較して、その後のクリティカルシンキング(客観的かつ論理的に分析し、本質を見極めようとする思考プロセス)の課題で成績が悪化したという結果が出ている。

このことは、AIが思考を肩代わりすれば、私たちの脳が考えることをやめてしまう可能性を示唆している。

あなたの息子や娘は、AIをどのように使うのか

しかしこれは、AIの使用が本質的に有害という意味ではない。特に教育の場においては、その使い方にもっと注意を向ける必要があることを意味している。もし生徒が苦労を避けるためだけにAIを使えば、学びそのものの機会を逃してしまうかもしれない。

だからこそ、「あなたの息子や娘がAIをどのように使うのか」が、「AIを使うかどうか」と同様に重要になる。生徒が「手っ取り早く答えを得られるツール」としてAIを使えば、深い思考力を育む機会を失う。一方、自分の思考に挑戦し、アイデアを試し、自分自身の現在の理解度を確認し、知識を深める手段としてAIを使えば、記憶力とクリティカルシンキングの両方を高められる。そして保護者のあなたは、息子や娘がAIの使い方を根本的に変えられるよう、後押しできる。例えば、追加の質問を促したり、別の視点を探らせたり、学んだことを一緒に話し合ったりするのだ。

Ryze Labsのマネージングパートナーを務めるマシュー・グレアムは、次のように述べている。

「私は、AIの未来を強く信じているが、特に教育分野において、私たちはAIの影響力を過小評価していると思う。これらのツールは感情を引き込み、さりげなく自尊心をくすぐり、驚くほどの説得力を発揮する。まるでSNSのアルゴリズムに似た影響力を持っているが、そのパワーは100倍だ。私は、いずれ保護者の間でAIをめぐる分断が起きると考えている。一部の保護者は、かつてのフェイスブックのようにAIから子どもを完全に遠ざけようとする。一方別の保護者は、意図せず、何が起きるか分からない『リアルタイムの実験』に子どもを参加させることになる」。

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編集=上田裕資

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