2025.08.11 10:00

「大麻ツーリズム」市場、3.4兆円規模へ 世界で進む観光と規制の試行錯誤

タイのサムイ島(Shutterstock.com)

嗜好用大麻が合法の米ミズーリ州で、ウェルネス特化型リゾートに挑戦

ミズーリ州のオザーク湖を拠点とするLifted Lodgingは「全米初となる、大麻フレンドリーなリゾートの全国チェーン化」を目指して開発を進めている。

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創業者のリサ・リーバーマンが率いるこのプロジェクトは、ロッキー山脈以東の市場に照準を合わせている。これら地域では、大麻の合法化が進む一方で、それに対応した宿泊施設の整備が追いついていないのが現状だという。

「Lifted Lodgingのアイデアは、大麻の使用が認められているバケーション先が極端に少ないという現実から生まれた」とリーバーマンは語る。彼女は、自身の結婚式をコロラド州で開いた経験から、特に中西部では大麻フレンドリーな宿泊施設がほとんど存在しないことを痛感したという。

Lifted Lodgingは、今年秋に開業予定の旗艦施設で、高級感ある宿泊体験にウェルネス重視のプログラム、学びの機会、大麻に親和的なイベントを組み合わせていく予定という。計画中のアクティビティの中には、大麻をテーマにした競技会、地元シェフによるプライベート・ダイニング体験などが含まれている。

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このリゾートは、大麻の初心者の宿泊客に向けて地元のディスペンサリーと提携し、使用量の目安、製品の選び方、リスクを避けるための学びの機会などを提供している。「経験者であれ、大麻に興味を持ち始めたばかりの人であれ、すべてのゲストが安心して、自分らしく、責任ある形で大麻を楽しめるようサポートしたい」とリーバーマンは語る。こうした学びの機会への注力は、Lifted Lodgingが掲げる「大麻を主流のホスピタリティに根付かせていく」という理念の中心に据えられている。

嗜好用という目新しさだけでは失敗、成功の鍵は?

一方、すべての大麻ホスピタリティの取り組みが期待通りに進んでいるわけではない。2023年、ラスベガスではThe Lexiというホテルが、大麻フレンドリーのポリシーを打ち出し、特定の客室を喫煙可能エリアに指定して開業した。しかし、わずか数カ月でその路線からの方向転換を余儀なくされた。この事は、現代の旅行者を満足させるには、形だけの演出・設備のみでは不十分であるという現実を提示した。

大麻ツーリズムに携わるリーダーたちは、今後の成功の鍵が表面的なギミックを超えていくことにあるという意見で一致している。カンナビストラベル協会のハンドは、この分野を主導していくのが、大麻を既存のウェルネスやホスピタリティのエコシステムに自然に組み込んだ事業者になると強調した。

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編集=上田裕資

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