嗜好用から医療用へ規制転換が進むタイで、高級ウェルネスと融合させたリゾート
東南アジアで初めて大麻を事実上解禁したタイは、アジアにおける大麻ツーリズムの意外な先駆者となった。その先陣を切った施設のひとつのサムイ島のThe Beach Samuiは、大麻を取り入れた少人数向けの高級リゾート体験を提供している。
「2015年にオープンした当初は、大麻の導入なんてまったく考えていなかった」と、この施設の創業者のブライアン・ラントは語る。「しかし、合法化の可能性が見えてきたときに、すぐに行動を開始した。競合に先駆けてライセンスを取得したことで、リゾートの提供価値が一変した」と彼は続けた。
The Beach Samuiでは現在、宿泊客が専用のディスペンサリー(販売所)を訪れて、大麻入りのチョコレート、ウェルネス製品を購入できるほか、大麻のクッキングクラス、ヨガセッションにも参加できる。この施設は、大麻に関する知識、安全な使用法を丁寧に伝えることに加え、植物療法をウェルネスに取り入れている。
さらに専任の大麻とウェルネスのコンシェルジュが、製品の選び方、使用量、期待される効果について、宿泊客一人ひとりに合わせた相談サービスを提供している。「シンプルな会話を通じて、顧客が求める快適さやウェルネスの目標に合った体験を一緒に見つけていく」と、ラントは語る。この個別化されたアプローチは、ゲストの安全を最優先すると同時に、大麻の使用がエクスペリエンスの質を高めるものになるよう配慮されている。
「このリゾートを訪れるゲストは、ここでしか得られない本当の高揚感と満足感を得ることになる」と、ラントは続ける。「大麻だけでなく、マインドフルネスと自然の美しさがが調和した楽しみが得られる」。
このリゾートと提携する大麻ブランドKANHAのCEOのキャメロン・クラークは、信頼できる選択肢を求めるゲストのために、一貫した高品質な製品を提供できるよう体制を整えている。「人々は、ここであれば安心して大麻を試すことができる。製品がきちんと適正な分量で製造され、ラベルも明確で、知識のあるスタッフがサポートしてくれるとわかっているからだ」とクラークは語る。
タイ当局は規制強化・再整備の方針へ
The Beach Samuiは現在もなお運営を続けているが、タイの規制当局の最近の動きは、業界の将来に新たな複雑さをもたらしている。タイでは2025年半ばから大麻の購入に処方箋が必要となり、再び医療用途が中心になりつつあるため、一部のディスペンサリーには不透明感も広がっている。それでも、ウェルネス・ツーリズムは依然として大きな推進力であり、The Beach Samuiのような事業者たちは、変化し続ける枠組みの中で柔軟に対応している。
「これは単なる宿泊業の一形態ではない。我々はこのようなリゾートがウェルネス・ツーリズムの中に新たなカテゴリを築く土台になり得ると信じている」とラントは語った。


