自信がなくなる日がある。やる気が起きない。未来像がぼんやりしている。この先何かが待ち受けているとわかっていても、それがはっきり見えない。恋愛関係においては、このような瞬間はさらにもろいものに感じられる。自分自身やパートナーの意向、あるいは関係の行く末さえも疑ってしまうかもしれない。
専門誌『Social and Personality Psychology Compass(ソーシャル・アンド・パーソナリティ・サイコロジー・コンパス)』に2022年に掲載された研究はこのような瞬間を理解するための強力なヒントを示しており、「カップルの希望」と呼ばれるものを積極的に受け入れることを促している。
希望は個人が心の中で抱くものであるという従来の見方とは異なり、研究結果では希望は「人と人の間」、特に親密な関係において育まれることが示されている。恋愛関係において希望が成長するというこの新たなモデルでは、カップルが3つの重要な側面、つまり時間をかけて共に創造する「意志(主体性)」、「方法(経路)」、「願い(願望)」を通じて、希望を作り出したり相手から借りたりすることができると唱えている。
言い換えると、自分1人では信念を持つことができなくても、2人の関係で育むことができる。希望は自分の中で始まる必要はなく、実はそばにいる誰かによって触発される。
この記事では、恋愛関係における希望がどのように機能するのか、そして自信がなくなっているときにどのようにあなたを支えるのかを解説しよう。
1. 関係的主体性
関係的主体性(Relational Agency)とは、信頼の再構築や対立の解決から、気持ちの乖離を経験した後のつながりに至るまで、2人が望む状態を追求するためにあなたとパートナーが共有するエネルギー(意欲や行動力)を意味する。
長く続く関係ではモチベーションは当然変動する。あなたが希望と意欲に満ちているときもあれば、パートナーがそうであるときもある。そしてそれは、あなたが取り込むべきスキルだ。
795組の夫婦を対象とした2014年の研究で、それぞれのパートナーの取り組みが自分自身の関係に対する満足度だけでなく、配偶者の満足度にも直接影響することが明らかになった。例えば、片方が思いやりや時間、気持ちなどを相手に向けていると報告した場合、相手は満足度が高く、離婚する可能性は低いと報告した。このことは、パートナーによる前向きな姿勢が、関係に対してあなたが抱く安心感をはっきりと向上させることを示唆している。
この研究は、多くのカップルが直感的に感じていることを裏付けている。時には、ただ1人が信じるだけで十分なのだ。行動し、努める。そのエネルギーは伝わりやすく、関係に関する努力は単独ではうまくいかない。
このため、あなたが疲れ果てていたり、自分を疑ってばかりいるときは、パートナーに「2人の関係に関するビジョンを持ち続けてもらう」ことが共同調整の一形態であることを思い出してほしい。双方を支える信念の一時的な移行だ。
そのようなサポートを受けようとする姿勢は、1人ですべてをやり遂げようと思っているふりをするよりも、あなたの心の強さを示す。自分が信じられないときに、誰かに自分を、そして2人の関係を信じてもらうことは関係にまつわる最も勇気ある行為の1つだ。



