ライフスタイル

2025.08.09 14:15

ソウル江南の超高級タワマンで始められた婚活の会が格差社会の韓国に波紋を巻き起こす

folyphoto / Shutterstock.com

folyphoto / Shutterstock.com

ひと昔前、PSYのヒット曲である「江南スタイル」は、世界中に韓国の「江南(カンナム)」を知らしめた。「江南スタイル」は、ソウルの江南地区の裕福で洗練されたライフスタイルを風刺した楽曲だ。 

韓国で「江南」と言った場合、一般的にはソウル市内の江南区、瑞草区、松坡区の3つの区を指す。これらの地域はアパートの価格が高く、教育や医療などの環境も整っていることから、富裕層の象徴とされ、「江南3区」とも呼ばれている。

現在、この江南で最も価格の高いアパートと言われるのは、ソウル市内を流れる漢江(ハンガン)沿いにそびえる「レミアン・ウォンベイリー」(瑞草区盤浦洞)である。

この35階建てのタワマンは、専有面積133平方メートルの部屋が約106億ウォン(約12億円)で取引されるほどで、「平米当たり2億ウォン(約2000万円)」という驚異の価格を付けている。

しかし、このところレミアン・ウォンベイリー内で「格が合う人同士」の結婚を促進するユニークな活動が展開されていたが、これが韓国国内で波紋を呼んでいる。

結婚情報会社として法人化も

事の発端となったのは、2023年末、レミアン・ウォンベイリーの住民たちが自主的に立ち上げた「ウォンベイリー結婚情報会(通称「ウォンギョル会」)だ。これは入居者やその子どもたちの縁組を目的とした小規模な紹介制の集まりであり、参加者は登録料20万ウォン、年会費30万ウォンを支払って、定期的に顔合わせの集まりに参加していた。

入居者の間で好評を博したこの会は、次第に口コミで周辺の高級アパートにも評判が広がり、他でも同じようなシステムがつくられた。例えば、レミアン・ウォンベイリーと同じ瑞草区盤浦洞を代表する高級アパートである「アクロリバーパーク」や「レミアン・パスティージュ」、そしてこの地区の元祖高級タワマンである「タワーパレス」などにも同じようなシステムの結婚会がつくられた。

そして2025年2月以降は、他の江南地区へも対象が広げられ、誰でも「一定の審査を通れば」、これらの会への加入が認められるようになった。

次ページ > 会員資格やサービス内容もランクに応じて明確化

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事