タスクの所要時間を、もっと正確に予測するための4つのステップ
1. 実際にかかった時間を追跡する
1日だけ、タイムトラッキングを試してみよう。メールの返信、プレゼン資料の作成、コーディングや執筆などの複雑な作業、一つ一つの作業にどれくらい時間がかかるかを把握するためだ。
集中を続けられる時間、注意をそらす要因などに関して、すぐにパターンがわかるはずだ。時計やポモドーロタイマーを使うといい。例えば、Sunsama(サンサマ)というアプリを使えば、毎日のスケジュール管理だけでなく、時間配分の計画を支援してくれるし、各タスクに実際かかった時間も追跡できる。
2. リストではなく「タイムボックス」を使用する
ToDoリストは、タスクを記録するには便利だが、いつ、どのようにそのタスクを行うかを計画するには不向きだ。そこで、「タイムボックス」の出番だ。「タイムボックス」は時間管理術の一種で、あらかじめ決めた時間枠の中で特定の作業を行い、その時間が過ぎたら作業を区切る。
カレンダーでタスクごとに特定の時間を割り当てることで、そのタスクにコミットメントしすぎるリスクを軽減し、休憩や、予期せぬ遅延のための余裕をつくることができる。
筆者の著書『Timebox(タイムボックス)』では、人によって異なる時間の捉え方やエネルギーレベルに基づいて、タスクの所要時間を見積もる方法を解説している。筆者のクライアントが経験する最も大きな発見の一つは、自分への思いやりのある明確な計画を立てると、「やる必要があること」が非常に少なくなり、「実際に達成できること」が多くなることだ。
3. 短い時間単位で集中的に作業して、タスクの所要時間を見積もる
私たちは、なんとかやり遂げられると考え、しばしばタスクの所要時間を過小評価する。しかしその代わりに、30分または45分の単位で、集中的に作業するためのブロックを設定してみてほしい。そうすることで、集中力を維持しやすくなり、より正確な時間感覚を養うことができる。
30分または45分単位に分けた各ブロックで、具体的に何をするかを決めておこう。例えば、「プレゼンの準備」という曖昧なタスクではなく、「内容を評価する」「アウトラインを作成する」「声に出して練習する」など、その時間で達成したいことを具体的に指定しよう。これにより、すぐ作業に取り掛かることができ、何をすべきか考えて時間をムダにすることを避けられる。
4. 完璧よりも前進を優先する
1日の終わりに、何をしたか、どれくらいの時間がかかったかを振り返り、明日の計画を調整しよう。そのブロックは現実的だったろうか? それとも、期待が高すぎただろうか?
何が自分の足を引っ張っているのか、よく考えてみよう。計画不足ではなく、完璧主義が邪魔をしているかもしれない。よくわからなければ、コーチに相談し、自分の期待が、現実的で持続可能なものかについて確認しよう。
チームを率いる場合でも、メールボックスを管理する場合でも、人生におけるさまざまな責任を果たしている場合でも、タスクの所要時間をより正確に予測する方法を学ぶことで、ストレスを軽減し、コントロール感を得ることができる。このスキルをマスターすれば、1日には思っていたより多くの時間があることに気づくかもしれない。
1日を意図的に過ごすほど、より多くのことを達成できるだろう。筆者が約束する。


