大手企業を出し抜くためのアクションステップ
個人事業主や創業者の場合:
・小さく始めて、賢く構築する:ChatGPTやMidjourney(ミッドジャーニー)、Claude(クロード)、Runway(ランウェイ)といったAIツールを用いて、事業のアイデア出しやメッセージ発信のテスト、繰り返し行う業務のコスト削減を図ろう
・独自の知見に焦点を絞る:他の人や企業が見過ごしている、顧客や業界の「満たされていないニーズ」について、自分が知っていることはないだろうか? と問いかけてみよう
・アウトソーシングを活用して、規模の拡大を図る:クラウドプラットフォームや分割労働(複数の会社で仕事を掛け持ちできる働き方)、オンデマンドでサービスが利用できるマーケットプレイスを活用すれば、はるかに規模が大きな企業を相手に、勝負を挑むことが可能になる
チームの場合:
・承認プロセスの縛りをなくしてイノベーションを推進する:過剰な承認プロセスを課すことなく、チームメンバーがある程度自由に新しいツールや実験的試み、自動化を実行できるようにしよう
・テック界の状況の変化を徹底的に追いかける:要注目の新しいツールを毎月評価する担当者を設けよう。新たなAPIやプラットフォーム、機能が日々登場している
・職能の枠を越えて新しいテクノロジーに親しめる人材を構築する:AIでプロトタイプを作成できるデザイナーや、ダッシュボードを構築できる営業スタッフを発掘するといいだろう。自分の担当分野に縛られず、複数のスキルを習得するよう促し、臨機応変な対応力を高めよう
企業の場合:
・社内に「マイクロスタートアップ」を立ち上げるための予算を確保する:予算や時間枠を確保し、その中で新たなビジネスモデルを探求するよう従業員を後押ししよう
・スタートアップと提携する:すべてを内製で構築するのは禁物だ。自社のニッチ分野に適合し、機敏に動けるイノベーターと手を組もう
・イノベーションのスループットを計測する:収益だけでなく、イノベーションの実現速度もトラッキングし、テストのサイクルや、顧客から得られる知見にも目を配ろう
今日のニッチ企業は、明日の大企業
今日の各業界に君臨する大企業を見ていると、彼らは、自らのやり方に固執し、変化を拒む存在だと、つい断じたくなるかもしれない。だが実際には、今日の大企業もかつては、イノベーションを推進する側だった。こうした企業は往々にして、既存の制約を突破し、新しいことに挑み、その結果、試したことが世の中の規範になる、という流れをたどっている。
今日のニッチ企業がたゆまずイノベーションを続け、顧客の支持を得るようになれば、既存の大企業は、こうした新たな企業と同様にイノベーションを推進する必要に駆られるか、さもなくば1歩引いて、未来の大企業に道を譲ることになるだろう。


