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2025.08.13 09:15

小学生の自由研究にAIはアリ? 子供のAI事情と親の本音

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ChatGPTなどのAIツールを、小学生の夏休みの自由研究に利用させるかを保護者に聞いたところ、案の定、大半は使わせないと答えた。逆に気になるのが、利用させるというごく少数の保護者の考えだ。子どもたちにAIを推奨する理由を聞いて、大いに納得した。

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塾選びをサポートする学習塾検索サイト「塾選」を運営するDeltaXは、小学生の子どもを持つ保護者100人を対象に、「小学生の自由研究とAI」について調査を実施した。まず、自由研究にAIを利用させるかをたずねると、63パーセントは使わせないと答えた。30パーセントは思案中。使わせると答えた保護者は7パーセントに過ぎない。

使わせない理由は大きく3つ。ひとつは子どもの創造性の育成を妨げる恐れがあるから。ひとつはまだ早い(適切に使えない)から、そしてもうひとつは、AIの具体的な活用法がイメージできないからだ。これらはみな、AIツールをよく知らないがための不安だ。子どもが便利なツールに依存してしまうのではないか、AIの情報を鵜呑みにしてしまうのではないかという心配もあった。また、どう使っていいかわからないという声もある。

では、AIを使わせるという保護者はどう考えているのか。使わせる理由は大きく分けて次の2つ。

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・自身がAIをよく理解していて使い方を知っている
・アイデア出しや効率化が期待できる

「利用して楽になることがあればなんでも使っていきたい」、「一度活用してみることで、情報リテラシーを伸ばすことにつながる」という意見が聞かれた。情報リテラシーの向上、効率的な学習の一環としてAIを積極的に活用するという姿勢と言える。

アイデア出しに関しては、「AIを利用して考えてみたほうが、いろいろなアイデアが出てきそう」との意見が聞かれた。

さらに、「観察の進め方や調べ方を相談する」、「アイデアをいくつか出してもらい、研究は自分でやらせる」という意見もあった。これは子どもが主体になって、さらに深く幅広い研究ができるようAIをサポート役に使うという、AIをよく知る人の上手な活用法だ。

最後に、研究のまとめにAIを利用するという声もあった。子どもが作ったレポートを、伝わりやすい構成や読みやすい形に整えさせるというものだ。これもまた、AIを熟知した人がビジネスの現場で駆使している活用法でもある。

もちろん、保護者はAIの利用に制限をかける必要もある。保護者が指摘するNG行為は、AIの文章をそのまま書き写す、実際に研究をせずにAIの回答をまるごと使うといった「ズル」だ。AIはあくまで、よりよい研究のためのサポート役でなければならない。

子どもが研究対象に興味を持てば、AIの言いなりで満足するはずがない。自分で確かめなければ気が済まなくなるはずだ。大切なのは、子どもの興味をいかに引き出すか。そこにAIを使うこともできる。自由研究のAI活用は、AIリテラシーや情報リテラシーを高める絶好の機会になる。AIの使い方という、それ自体が立派な研究テーマにもなるかもしれない。それから、親もAIを使って勉強することが大切だ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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