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2025.08.07 16:00

アマゾン傘下Zoox、ハンドルもペダルもないロボタクシー運用へ 米当局が認可

Smith Collection/Gado/Getty Images

Smith Collection/Gado/Getty Images

米規制当局は6日、アマゾン傘下の自動運転車会社Zoox(ズークス)に対し、ハンドルやペダル、ミラーなどを搭載しない電動自動運転タクシー(ロボタクシー)の公道での運用を認可したと発表した。同社にとって、アルファベット傘下の競合ウェイモに対抗する上での障害が一つ取り除かれた形だ。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、「自動運転車免除プログラム(AVEP)」の対象が最近になって米国製自動車にも拡大したことを受け、特定の機能搭載を義務とする規則の免除をZooxに初めて付与した。現在路上を走行している同社のすべての車両に適用される。これに伴いZooxは、自社のロボタクシーが連邦当局の定める自動車安全基準を満たしているという記述を「削除または隠ぺい」する。NHTSAはまた、同社のロボタクシーの自己認証に関する調査を終了すると発表した。

ショーン・ダフィー運輸長官は、この決定は「安全とイノベーションにとってウィンウィン」だと表明。自動運転車の未来を推進するのは「中国ではなく米国」だと述べた。

今回の免除により、11年前に創業したZooxが年内にロボタクシーサービスを開始するための道が開かれた。まずラスベガスで開始し、サンフランシスコなどのベイエリア都市、オースティン、マイアミ、ロサンゼルス、アトランタが続く。ウェイモと同じくカリフォルニア州に本社を置くZooxはすでに、同州で有料の自動運転車サービスを運行する許可を得ている。またウェイモと同様、デジタルカメラのみならず、レーザーLiDAR、レーダー、サーマルカメラ、緊急車両を感知するマイクといった高度なセンサーを使った自動運転システムを採用している。

電子メールで取材に応じたZooxは、今回の決定により「NHTSAはZooxが自信を持って前進できる方法を提案した」と言明。「この新しい免除プロセスを通じて、当社はこの新しい道を歩み始め、これらの議論を過去のものにして、自律的イノベーションの道をリードし続けることを楽しみにしている」

Zooxは当初から、ウェイモのように既存の車両にセンサーやコンピューターを搭載するのではなく、一から設計した電気自動車によるロボタクシーの運行に焦点を置いている。同社のロボタクシーは、従来型自動車にあるハンドルなどの物理的な制御装置がないことに加えて、電車を連想させるスライドドアを搭載しているのが特徴だ。前後部が同じ形をしたトースター型のボディで、双方向に走行が可能。最高速度は時速75マイル(約120キロ)だが、都市部や郊外では通常、時速45マイル(約72キロ)を超えることはない。充電1回当たりの走行時間は最大16時間で、年間10万マイル(約16万キロ)を走行し、少なくとも5年間は稼働する予定だ。

Zoox共同創業者で最高技術責任者(CTO)のジェシー・レビンソンは6月、カリフォルニア州ヘイワードにある同社のロボタクシー工場をフォーブスが取材した際、「乗り心地、客車式の座席、広々とした車内などが、競合との違いだ」と語っていた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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