絶えず進化を続けるSF映画の中から、最高の作品を見つけるのは容易ではない。しかし、読者がSFに関するあらゆる情報を網羅する情報源として使えるよう、「史上最高のSF映画のリスト」を作成してみた。
Vol.3では、最後の10作品を紹介する。
10. 放射能X(1954年)
ゴードン・ダグラスが監督したこの白黒映画は、本記事で紹介する10作品の中で最も古く、多くの「初」を生み出した。すなわち、いわゆる「巨大昆虫」映画の初期の1本で、超特大の昆虫が敵役として登場する。また、1950年代に流行した「放射能モンスター」映画の先駆けでもある。
ニューメキシコに、人間より大きな蟻が現れる。駆除作戦を逃れた2匹がロサンゼルスで目撃されると、国を挙げての捜索が始まる。
レイティングのない本作のキャストには、ジェームズ・ホイットモアとエドマンド・グウェンが名を連ねる。
9. バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)
ロバート・ゼメキス監督が生み出した不朽のヒット作で、代表的なタイムトラベル物語だ。
主人公のマーティ(マイケル・J・フォックス)は、老科学者ドクが開発した装置で過去にタイムスリップし、父親と母親が出会う状況を大きく変えてしまうが、最終的にはすべてが良い方向にまとまる。本作はポップカルチャーの一大現象となり、後のさまざまな映画に影響を与え、人気絶頂期におけるフォックスの庶民的な魅力を際立たせた。クリストファー・ロイドとリー・トンプソンも共演した。
8. デューン/砂の惑星(1984年)
デビッド・リンチ監督が生み出した名作は、長らく過小評価されてきたが、ようやくこの10年ほどで価値が再認識され、2021年にリメイクされた際にも改めて注目された。カイル・マクラクランが主演するこの未来的な映画では、宇宙で最も価値のあるスパイスをめぐり、壮大な戦争が勃発する。
フランク・ハーバートの大河小説「デューン 砂の惑星」(邦訳:早川書房)を原作とし、PG-13に指定された本作は、原作のビジョンと撮影技術により、独創性が際立っている。批評家らは当初酷評し、興行的にも失敗したが、次第に観客も批評家らも、リンチ監督のストーリーテリングを高く評価するようになった。
7. マトリックス(1999年)
3部作の最初の作品で、今もなお最高傑作だ。人工知能が人類を支配するために構築した仮想現実「マトリックス」から覚醒したネオ(キアヌ・リーブス)は、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)に導かれ、トリニティ(キャリー=アン・モス)と共に、人類を解放する戦いに身を投じる。
ラナ・ウォシャウスキーとリリー・ウォシャウスキーが監督と脚本を担当した。R指定の本作は、アカデミー賞4部門にノミネート。3部作の完結から18年後の2021年には第4作が公開された。
6. ブレードランナー 2049(2017年)
オリジナルはあまりにも素晴らしく、唯一無二だったので、リメイクや続編は不要だった。したがって、当リストに2度目の登場となるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が続編を実現させたのは称賛に値する。
ライアン・ゴズリングが演じるブレードランナー(専任捜査官)の「K」は、30年前に消息不明となった元ブレードランナーのデッカードを探し求める。もちろん、これはハリソン・フォードが主演した1982年の傑作『ブレードランナー』の続編だ。前作は、(筆者を含む)たくさんの人から、史上最高のSF映画と考えられている。



