ビジネス

2025.08.13 10:15

Rubrik共同創業者兼CEOが考える「100年企業」を目指すべき理由と、AIが日本にもたらす「黄金の機会」とは

最初の10年間はソフトウェアエンジニアとして働き、オラクルでは、データベースの心臓部であるカーネル開発に多くの時間を費やし、マネジャーやディレクターも務めました。しかしある時、エンジニアリングや製品開発だけでなく、より広い視野でビジネス全体を捉えたいと思うようになりました。その思いから、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールに通い、ベンチャーキャピタリスト(VC)への転身を決意したのです。

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VCになろうと思ったのは、自分の直感を信じてビジネスの可能性を見極める、そんな環境に身を置きたかったからです。キャリアの早い段階で、クラウド基盤を統合・管理するソフトウェアの「Nutanix(ニュータニックス)」をはじめ、いくつかの有望なスタートアップに出会う機会がありました。私はNutanixの最初の投資家として取締役会に名を連ね、大きな企業へ成長していく過程を共にしました。この経験を通じて、人が何かを創り出し、システムを構築していく現場の醍醐味を肌で感じたのです。

何事も、まずは自分で試してみて、何を生み出せるかを知らなくてはいけません。私がアメリカで得た成功は、すべてこの国のおかげです。だからこそ、今度は私が、自分のキャリアや人生よりも長く続くような、永続的な組織や会社を創り上げたいと強く思うようになりました。その想いを胸に3人の友人に声をかけ、4人で一つの部屋に集まって立ち上げたのが「Rubrik(ルーブリック)」です。これは、私たちの情熱が結実した会社なのです。

しかし、まだ道半ばに過ぎません。Rubrikの歴史はまだ浅く、企業の寿命は何十年にもわたります。日本には創業100年、150年といった素晴らしい企業がたくさんあります。私たちはまだ11年半。長い旅は始まったばかりです。私たちの目標は、永続的な組織を創ることです。

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永続的な組織であることの証は、「市場と顧客を愛し続けること」だと考えています。市場と顧客を愛していれば、常に進化し、変化に対応できます。逆に、自社の技術や製品に固執しすぎると、進化も変化もできず、過去の成功に囚われてしまいます。私たちのビジョンは、Rubrikが常に進化し続ける会社であることです。常に次の一手を考え、お客様の課題に真摯に向き合い、未来を創造していく。そんな企業でありたいのです。

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文 = 井関庸介 写真 = 小田駿一

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