風力発電所の仕組みとコスト
風力発電のタービンは、風(移動する空気)の運動エネルギーを電気に変換する。風が風車のブレードを回転させ、それがローターに伝わり、ローターが発電機を回して電力を生み出す。多くの商業規模のタービンは、風速が毎秒約4メートル程度から発電を開始し、毎秒約25メートル以上になると損傷を防ぐために自動的に停止する。
風力発電所には陸上型と洋上型がある。洋上タービンはより高い位置にあり、出力も大きいことが多く、安定して強い風力が得られる利点がある。洋上型は設置の初期コストが高いものの、ユニット当たりの発電量が多くなる傾向がある。米国エネルギー省(DOE)は、ブレードの改良やハブの高さの向上、用地の選定の最適化によって、風力発電が今後、より高効率かつ低騒音になると予測している。
風力発電の経済性は大きく改善
風力発電の経済性は大きく改善している。新設される陸上風力発電の平均平準化発電原価(LCOE)は、1メガワット時あたり約33ドル(約4851円)とされている。一方、洋上風力発電のコストは、現時点で1メガワット時あたり約78ドル(約1万1466円)と高いが、技術の進歩に伴い低下が見込まれている。風力発電は、燃料費がかからず、継続的なコストの大半をオペレーションや保守費用が占めている。さらに、風力発電所は米国の連邦税控除や州レベルの再生可能エネルギーの義務化制度の恩恵も受けられる。
タービンの廃棄やリサイクルに関する懸念への対処も進んでいる。ブレードは複合材料で作られることが多く、リサイクルが難しいが、技術革新が進んでいる。たとえば、ブレードをセメントの原料に加工する方法や、再利用する方法についての研究が進められている。シンクタンク「Resources for the Future」の調査では、大西洋沿岸およびメキシコ湾沿岸での洋上風力発電開発は、大気の浄化や健康被害の低減といった、総合的な公共の利益をもたらすと結論づけられている。
風力発電の長所
トランプの批判は誤った情報に大きく依存しているものの、風力発電にも現実的なマイナス面は存在する。たとえばハーバード大学の研究者らは、大規模な風力発電所が空気の流れを乱すことで地表付近の気温をわずかに上昇させる可能性があると指摘している。ただし、この気温の上昇は、化石燃料を用いた発電によるものと比べればごく小さい。
ゼロエミッション
運転中に温室効果ガスを排出しない。
雇用の創出
米国では風力発電関連で10万人以上の雇用を支えており、とくに地方の製造業や保守業務で雇用機会を生み出している。
エネルギーの多様化
輸入燃料への依存を減らし、エネルギー安全保障を強化する。
土地の併用
風力発電に使われる農地は、農作物の栽培や家畜の放牧を継続可能だ。
風力発電の短所
風力の不安定さ
風は一定ではない。ただし、予測精度の向上や蓄電池の活用、送電網の相互接続によって、この問題は軽減可能だ。
野生生物への影響
鳥やコウモリの衝突が懸念されるが、新技術や設置場所の規制などの対策が進んでいる。
景観や騒音への懸念
景観の変化や低周波の騒音を理由に、風力発電所に反対する住民もいる。
ライフサイクル管理
将来的なオペレーションの廃止に伴う解体や、資材のリサイクルには長期的な計画が必要になる。


