予防こそが最大の防御策
幸い、ライム病は適切な予防策を取れば防ぐことができる。下記にその防御策を列挙する。「MSDマニュアル 家庭版」なども参照してほしい。
マダニの生息地を避ける
ハイキングではなるべく道の中央を歩き、背の高い草むらや藪を避ける。可能であれば日当たりのよい開けた場所を選んで活動する。地面や石の上に座らないようにする。
服装に注意する
長ズボンや長袖シャツ、足全体を覆う靴を着用し、ズボンの裾は靴下に入れる。マダニを見つけやすくするため、淡い色の服を選ぶのも有効だ。
防虫剤を使う
ディートイカリジン(picaridin)、ペルメトリンを含む米国環境保護庁(EPA)登録の防虫剤を使用する。衣類や装備にはペルメトリン配合のスプレーなどを塗布する。
マダニのチェックを行う
屋外での活動後は全身をくまなく確認する。特に脇の下や耳の中やその周囲、へそ、ひざの裏、足の付け根、腰回り、髪の中に注意する。子どもやペットも忘れずチェックする。ダニに接触した可能性がある人は、毎日全身(特に毛髪)を点検する必要がある。
マダニを発見したら速やかに除去する
先端が細いピンセットでマダニの頭部を皮膚に近い部分からしっかりつかみ、ゆっくり真っすぐ引き抜く。マッチの火を押し当てるなど熱を加える方法は、かえって感染のリスクを高めるので避ける。除去後はアルコールまたは石けんと水で刺された部分をきれいに洗う。
ライム病は放置すると深刻化する恐れがあるが、早期に発見し適切な抗生物質による治療を受ければ、ほとんどの場合完治する。診断や治療が遅れると症状が長引くことがあるが、推奨される治療を受けた後に続く不調は、感染が持続しているためではないと考えられている。現在、新たなワクチンの臨床試験も進行中だ。基本的な予防策を心がけ、注意すべき兆候を知っておけば、この夏も安心して屋外での活動を楽しみながら、増え続けるこの病気から身を守ることが可能だ。


