カルチャー

2025.08.06 12:00

「ラブブ」人気に赤信号が点灯? 偽造品が氾濫し転売価格も50%以上の下落

Labubu『ザ・モンスターズ』のコカ・コーラシリーズのぬいぐるみ(Photo by Edward Berthelot/Getty Images)

偽造品の横行がブランドへの信頼を揺るがす

上海警察は先日、5000体以上の偽ラブブを販売していた犯罪組織を摘発した。彼らは偽造品を正規の価格の60〜70%で売りさばき、逮捕されるまでに約1200万元(約2億4549万円。1元=20円換算)を稼いでいた。ほぼ同時期、中国の税関当局が複数の都市で数万点規模の「ラフフ(Lafufu)」と呼ばれる偽物を押収した。

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しかし、この偽ラブブは単なる偽物の問題にとどまらず、ブランドにダメージを与えた。初期のコレクターは、偽物が二次市場の価格を押し下げ、信頼を損なうことで、自分たちのコミュニティが崩れていくのを感じた。ポップマートは偽物対策として、商標登録や購入時の見分け方ガイドの配布、QRタグの埋め込みなどを行った。しかし、この出来事はすでに、管理を誤ればファンの信じる価値が崩れることを示していた。

ブランドを支える存在としてのファン

ここで少し立ち止まって、別の展開を考えてみよう。もしポップマートが、初期の熱心なファンを単なる収益源ではなく、ブランドを支える存在として扱っていたらどうだっただろう。たとえば、会員ランクの導入、先行販売の特典、『ザ・モンスターズ』の物語と連動した特別なミニフィギュアといった企画を試みることもできたはずだ。そして、クリエイターと直接交流できるイベントやアプリなどを通じて、時間をかけてラブブの世界観を育てていくような未来もありえたはずだ。

しかし実際には、そこにあったのは希少性だけで、コンテンツやつながりは冷え込んでいった。こうしてラブブは、「長く受け継がれる存在」ではなく一時の流行になりつつある。

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それでもまだ、ラブブにはプレミアムな部分が残っている。ポップマートは、高級感を打ち出すためにルーヴル美術館限定のアイテムを出したほか、キース・ヘリングや『ONE PIECE(ワンピース)』、コカ・コーラとのコラボも展開した。また、オークションでも高値の落札が続いており、先日の北京の競売では高さ約1.2メートルのミントグリーンのラブブが約17万ドル(約2499万円)で落札された。しかし、ブランドの物語がファン層全体に広がらなければ、盛り上がるのは一部だけで、コミュニティが分断されてしまう恐れがある。

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編集=上田裕資

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