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2025.08.06 09:00

テスラ、イーロン・マスクに「約4.3兆円」相当の株式報酬を承認

イーロン・マスク(Chip Somodevilla/Getty Images)

イーロン・マスク(Chip Somodevilla/Getty Images)

テスラがイーロン・マスクに対し約290億ドル(約4兆28000億円)相当の株式報酬を承認したことが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかとなった。これは、同社のCEOで、マルチビリオネアのマスクに対して、以前承認された数十億ドル規模の報酬パッケージが裁判所により無効とされたことを受けた措置である。

規制当局への提出書類によれば、テスラはマスクに対して、暫定的な報酬として9600万株の普通株式を付与する方針を示している。

テスラのX(旧Twitter)アカウントを通じて株主に共有された書簡の中で、同社の特別委員会は、この株式報酬を「誠実な意思」に基づく支払いであると述べた。

この委員会には、会長のロビン・デンホルムと取締役のキャスリーン・ウィルソン=トンプソンが名を連ねており、株主に対して「みなさんの最大の関心事のひとつが、イーロンのエネルギーをテスラに集中させ続けることだと理解している」と述べ、この株式報酬は「その目標を達成するための重要な第一歩である」と説明した。

以前のマスクの報酬パッケージに関する訴訟が現在も係争中である中、委員会は、「AI分野における人材争奪戦がますます激化し、テスラが重要な転換点にあるという認識」のもと、この暫定的な株式報酬の付与を「慎重に審議した上で決定した」と述べた。

さらに声明では、マスクに対する「長期的なCEO報酬戦略」は、米国時間11月6日に開催されるテスラの年次株主総会で投票にかけられる予定だと説明されている。

株主宛ての書簡の中で委員会のメンバーは、「イーロンのビジネス上の取り組み、関心領域、そして時間や注意を必要とするさまざまな要因が多岐にわたることを認識しているが、この報酬がイーロンをテスラにとどまらせるための強いインセンティブになると確信している」と述べた。さらに、「イーロンを失うことは、彼の才能を失うだけでなく、テスラにおける人材獲得と維持において強力な牽引力となっているリーダーを失うことにもなる」とも強調した。

EVメーカーであるテスラの株価は、4日朝のプレマーケット取引で急騰し、309ドル31セントとなり、前週1日の終値から2.21%上昇した。ただし、テスラの株価は年初から20%以上下落している。

フォーブスの推計によると、マスクの純資産は3980億ドル(約58兆6900億円)に達している。リアルタイムのビリオネアランキングによれば、マスクはオラクル創業者のラリー・エリソン、メタ創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスを大きく引き離して、世界一の富豪となっている。

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forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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