今や誰もがAIエージェントについて語っている。しかし、なぜここまで騒がれているのだろうか。
AIエージェントは、なぜ注目されている?
「AIエージェントは、これからの働き方の未来そのものだ」。そう語ったのは、私が2025年2月にロンドンのIBM本社を訪れた際に取材した、IBMの幹部ジャスティナ・ニクソン・サンティルである。彼女は近い将来、AIエージェントが極めて強力かつ効果的な存在となり、職場における新たなチームメンバーとして機能するようになると予測していた。
いつの日か、デスクトップにログインすると、そこには「ハイブリッドなチームメンバー」が待ち受けているかもしれない。リモートワーク的な意味ではなく、半分人間・半分ロボットという、まるでSF映画のような存在だ。
AIエージェントを使いこなすスキル
「これらAIエージェントは、実際に業務を代行できる」とニクソン・サンティルは語った。「今後、マネージャーには、人間のチームとAIエージェントのチームの両方をマネジメントするスキルが求められるだろう」。
実際、スキルの高いフリーランサーの54%が、AIツールを業務に活用する上で、上級または専門レベルのスキルを持っていると回答している。一方、正社員で同様のスキルを持つ割合は38%にとどまっている(2025年5月にUpworkが実施した、ナレッジワーカー3000人を対象とした調査より)。
また、スキルを持つフリーランサーの約62%が、週に複数回はAIツールを使用している(同上)。
これは、2024年1月の状況とは大きく異なる。当時、生成AIを定期的に使用していると回答したフリーランサーは、わずか20%だった(世界経済フォーラム調べ)。
私は以前からAIエージェントに関心があり、この新しい働き方の世界で、それがどれほど有用なのか気になっていた。そんな中、OpenAIが新たにChatGPTの「エージェントモード」をリリースした。そこで私はこの機能を実際に試してみて、それが本当にフリーランスビジネスの収益化に役立つのかを確かめることにした。
本稿では、その過程で得た発見を紹介しよう。
そもそもAIエージェントとは何か?
AIエージェントとは、複雑なタスクを実行できるAIツールで、まるでアシスタントや社員のように機能するものだ(現時点ではまだ初期段階にある技術である)。マッキンゼー・アンド・カンパニーは、「AIエージェントは、AIとのインタラクションを可能にするツールであり、通常は人間が必要とされる複雑な処理(自然言語処理など)を自動化し、実行できる」と説明している。
AIエージェントには何ができるのか?
マッキンゼーによれば、AIエージェントは以下のようなタスクをこなすシステムとして構成できる。
・複雑なワークフローの調整
・複数のAIエージェント間の活動の連携
・複雑な問題に対する論理的なアプローチ
・ユーザーからの問い合わせに対する回答の評価



