食&酒

2025.08.09 09:15

猛暑と米価高騰で「そうめん」消費が急上昇。一方で残念な声も

Getty Images

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そうめん通は、そうめんは夏限定という世間の風潮に憤慨するが、やっぱり夏になるとそうめんが頭に浮かぶ。事実、くふう総研の調査でも、夏によく食べる冷たい麺のダントツトップがそうめんだ。だがこの調査から、そうめんには、ラーメンやうどんと違って1年中愛されるメジャーな麺になれない残念な事情がうかがえる。

家計簿サービス「Zaim」や小売店の買い物情報アプリ「トクバイ」などを運営するくふうカンパニーの研究機関、くふう生活者総合研究所(くふう総研)は、「Zaim」と「トクバイ」のユーザー6003人を対象に、そうめんに関するアンケート調査を実施した。それによると、夏場のそうめん人気は非常に高く、「よく食べている冷たい麺」では、蕎麦や冷やし中華を大きく引き離してそうめんが1位に輝いた(約68パーセント)。

今年はとくに猛暑とお米の値段の急騰から、そうめんを食べる頻度が増したという人が約3割。週に1回から3回以上食べる人は全体の約4割にのぼっている。

しかし、なぜそうめんを食べる回数が増えたかをたずねると、家族が望む、さまざまな食べ方を楽しんでいるという、そうめんが食べたいという積極的な理由はトップ7には2つだけで、しかもいずれの割合も複数回答で2割以下。そのほかは、猛暑だから、米が高いから、節約になるから、贈答などでもらったからと、そうめんへの愛着はあまり感じられない。

さらに、そうめんを食べている人たちの不満も少なくない。「単体だと栄養が偏るが、米とくらべておかずが合わせづらい」、「2束食べると満腹、1束だと少ない。束の量が中途半端」、「お腹いっぱいになるまで食べ続けると味に飽きてくる」など、悲しいかな共感できる理由が多い。さらに「もともとそうめんは好物であったけど、米の高騰で毎日食べていたときがあり、食べ方の工夫もしたが飽きてしまった」と、そうめんの食べ過ぎからそうめん離れが心配される意見もあった。

そうめんだけでは食事として寂しいので、何かを付け足したいと思うが、まさか生姜焼きじゃないだろう。合わせるおかずが限られるのがそうめんの困ったところ、と思われがちだが、スーパーのお惣菜を上手に組み合わせている人たちもいる。なかでも天ぷらが一番人気だ。おひたし、唐揚げ、だし巻き卵など、やっぱり和食が合うようだ。寿司やおにぎりなどのご飯ものも人気がある。なるほど、これなら合いそうだ。

また、温麺にするとそうめんのバリエーションはぐんと広がる。冷たいものばかり食べていては体に悪い。もっとアレンジの幅を広げて冒険してみてもいいのではないか。夏休みの自由研究にピッタリかもしれない。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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