北米

2025.08.05 13:00

トランプ、「優生学」想起の人気女優CMを称賛 アメリカン・イーグル株急騰

Michael M. Santiago/Getty Images

Michael M. Santiago/Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領は4日、人気女優のシドニー・スウィーニーが出演し、「優生学」を想起させる内容だと批判されているアメリカン・イーグルのCMを「いま最もホットな広告」と称賛した。同社の株価は同日、これを受けて急騰した。

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トランプ大統領は、自身のSNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「共和党に登録しているシドニー・スウィーニーは、いま最もホットな広告に出演している。アメリカン・イーグルのもので、そのジーンズは飛ぶように売れている。シドニー、いいぞ!」と称賛した。スウィーニーはこれに先立ち、フロリダ州で共和党支持者として有権者登録していることが、複数のメディアにより報じられていた。

トランプはまた、リベラル派をやゆする言葉である「ウォーク」を使用し、「ウォーク歌手のテイラー・スウィフト」にも言及。スウィフトは「もはやホットではない」と断じた。トランプは昨年にも、大統領選挙の対立候補だったカマラ・ハリスに対する支持を表明したスウィフトが「嫌い」だと宣言していた。

トランプは4日の投稿で、英自動車大手ジャガーのエイドリアン・マーデルCEOが最近辞任したことにも言及した。同社は最近、ブランド刷新によりカラフルで多様性を推進するようなイメージを打ち出したことで、一部から「ウォーク」化したとの批判が噴出。マーデルはその数カ月後に辞任したが、同社はこの辞任は計画されていたもので、ブランド刷新をめぐる騒動とは無関係だと説明している。

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トランプは、ジャガーがビールブランド「バドライト」から「教訓を学ぶべきだった」と書き込んだ。バドライトをめぐっては2023年、製造元のビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブが、トランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルベイニーの顔が描かれたバドライトの缶を本人に送ったことを受けて、保守層によるボイコット運動が巻き起こっていた。

トランプは「潮目が大きく変わった。ウォークは敗者のためのものであり、いま人々がなるべきなのは共和党員だ。この問題に注目してくれ、ありがとう!」と書き込んだ。

アメリカン・イーグルの株価は米東部時間の4日午後3時時点で23%近く上昇した。

アメリカン・イーグルCMはなぜ物議を醸したのか?

問題となったCMでは、「jeans(ジーンズ)」と「genes(遺伝子)」という同音異語を使った言葉遊びが展開される。同社のジーンズとデニムジャケットを身に着けたスウィーニーが「ジーンズは親から子へと受け継がれ、しばしば髪の色、性格、さらには目の色などの特徴を決定する」などと語ると、カメラはスウィーニーの青い目に向けられる。CMは最後に、「シドニー・スウィーニーはすばらしいジーンズを持っている」とのキャッチフレーズで締めくくられる。

次ページ > スウィーニーの金髪と青い目の遺伝子が他よりも優れているとほのめかすものだとの批判が殺到

翻訳・編集=遠藤宗生

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