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2025.08.05 16:00

次世代「Pixel 10」シリーズ4製品の価格がリーク、グーグルが積極的な価格戦略を展開か

Karlis Dambrans / Shutterstock.com

Pixel 10ファミリーの3本柱

第1に、Pixel 10ファミリーはスマートフォン市場の指針となり得る。前述の価格設定により、同等のスペックを持つ端末を投入する競合他社は、競争力を保つために価格を同じ水準に抑えざるを得ない。

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第2に、グーグルが各価格帯で望むハードウェア基準を示す点である。Pixel 10はメインカメラに3つ目のレンズを追加してユーザー体験を高めるとされる。プレミアムブランドのベースモデルは一般に二眼構成で発売されてきたが、グーグルはPixel 10を通じてこの仕様を再定義し、その流れをAndroidエコシステム全体に波及させようとしている。

これはAndroid全体の利益となり、Androidが恩恵を受ければそれはグーグルの利益にもなる。

第3に、人工知能(AI)だ。AIはスマートフォンにとどまらずデジタルエコシステム全体を再構築する重要な要素で、グーグルはAIアシスタントGeminiに力を入れ、自社のソフトウェアスタックやAndroidへAI機能を積極的に組み込んでいる。この採用により、市場はモバイルデバイス上の人工知能に関するグーグルのビジョンへと誘導される。先行者利益を確立し、それを今後の標準として提示することで、iPhoneでApple Intelligenceを提供しようとしているアップルをはじめとする、他のプラットフォームやメーカーにとってより困難な状況を作り出す。

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具体的には、GeminiやグーグルのAIスイートを最大限に活用するにはGoogle AI ProまたはGoogle AI Ultraのサブスクリプションが必要になる。Pixel端末を購入するとこれらのサービスの試用権が付与され、継続利用への敷居が低くなることで、利用者はグーグルのクラウドシステムへさらに深く引き込まれ、他社製品を押し返す格好となる。

Pixel 10およびPixel 10 Proにおけるグーグルの優位性

Pixel 10とPixel 10 Proは批評家から高く評価され、これまでのPixel端末の商業的成功を受け継ぐだろう。それに加え、グーグルはこれらの端末を通じてスマートフォン市場全体でプレミアム価格を維持し、各価格帯での仕様向上を促し、より多くのユーザーをグーグルの人工知能のビジョンとその実装へ引き込むつもりだ。

グーグルはPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL、Pixel 10 Pro Foldを米国時間8月20日に発表し、その翌週に小売販売を開始すると見込まれている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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