カンボジアは低価格ドローンの世界最大の輸出国である中国との関係が緊密であり、自国領空で中国製ドローンの試験飛行も行ってきたが、カンボジア軍がドローンを本格的に導入していたという証拠は今回の国境紛争ではみられなかった。ただ、カンボジアの民間人はドローン爆撃機の改造プロジェクトをソーシャルメディアで記録している。
一方、タイ軍は、クワッドコプター（回転翼4つのドローン）がカンボジア側の陣地を重力投下式の弾薬で爆撃する様子を映した動画を公開している。報告によれば、使用されたのは60mmのM261/M472迫撃砲弾とされる。ある爆撃では、グラート用の122mmロケット弾を保管していたとされる陣地を直撃した。別のドローンは、弾薬が装填されているRM-70自走多連装ロケット砲を撃破したとされる。
#Thailand / #Cambodia 🇹🇭🇰🇭: "Royal Thai Army" struck Cambodian Army positions and destroyed weapons depots as a result of Drone Strikes.
— War Noir (@war_noir) July 24, 2025
Thai Army used domestic "Bombing Drones" (โดรนโจมตีทิ้งระเบิด) carrying M261 and M472 mortar bombs along with Improvised Air-Dropped Bombs. pic.twitter.com/cD2843guRS
カンボジア兵がこうしたドローンを小火器で迎撃している様子も記録されている。また、タイ側の陣地への至近弾が記録された別の動画からは、カンボジア側がタイ軍のドローン部隊を狙っていたことが示唆される。
#Cambodia | #Thailand
— T-55AM1 (@T_55AM1_) July 25, 2025
Footage has surfaced, showing RCA troops shooting down a RTA drone that carried mortars.
It is the same type of drones used to attack RCA supply depots and rear lines. pic.twitter.com/Jx8jFKAPFR
今回、電子戦（EW）が戦場で行われ、ドローンの映像やナビゲーション、操縦用の信号が妨害されていたことを示す証拠は乏しい。
#Thailand / #Cambodia 🇹🇭🇰🇭: Thai Drone Operators' position was struck by the "Royal Cambodian Army" on the border.
— War Noir (@war_noir) July 26, 2025
The attack seems to be carried out with a possible #China-made 🇨🇳 PF69-40 HEI (High-Explosive Incendiary) RPG rocket. pic.twitter.com/osOnAqTYva
タイ軍はまた、目標に向けて急降下して爆発する固定翼型の自爆ドローンも投入したもようだ。
🇹🇭⚡️🇰🇭 #FPV Drones are also now in combat work, visuals of an #FPV drone striking #Cambodian 🇰🇭 positions along the #Thai-#Cambodian Border#ThailandCambodiaWar #Thailand 🇹🇭 pic.twitter.com/Hyug10BFbD
— Mahalaxmi Ramanathan (@MahalaxmiRaman) July 25, 2025
2025年7月のタイ・カンボジア国境紛争は一面では、領土の物理的な支配をめぐる従来型の戦いであり、地上の歩兵が激しい戦闘を繰り広げた。
しかし、より多くの人的損害をもたらしたのは砲兵や戦闘機、遠隔操作のドローンによる間接照準の攻撃だった可能性があり、メディアでも偏って大きな扱いを受けた。ドローン攻撃や空爆が成功する様子を収めた映像は、この紛争での戦術的成功を示す数少ない具体的証拠になっている。それ以外では、弾薬が目標に撃ち込まれるところよりも、目標に向けて発射される場面を捉えた画像が圧倒的に多い。こうした画像は人々の認識に影響を与え、政治決定も左右し得るものである。
間接照準兵器による民間人の被害の程度は、両国の世論や軍・国家指導者による判断にさらに大きな影響を与えた可能性がある。
タイとカンボジアの今回の武力衝突では、まったく新しい技術が使用されたわけではないものの、両国間で長年続いてきた国境紛争にも間接射撃兵器や航空戦力、ドローンが新たな影響を与えつつあることを示した。国家間での武力行使の頻度が増しているように見えるこの時代、これは引き続き注視されるべき動向である。
