暮らし

2025.08.08 07:15

「避難場所」と「避難所」の違い、8割が知らない防災の落とし穴

先日、カムチャツカ半島での地震によって津波警報が発せられたが、日本は地震、台風、豪雨など、予測不能な災害がいつ、どこで発生してもおかしくない状況である。そのため、私たち一人ひとりの防災意識がとても重要だ。そうした中、クロス・マーケティングが災害に関する意識調査を実施。多くの人々が防災の必要性を感じている一方で、具体的な行動や知識には課題があることが浮き彫りとなっている。

まず「避難場所」と「避難所」の違いを明確に説明できる回答者がわずか20%に過ぎなかった。避難場所は、津波や火災など差し迫った危険から一時的に身を守るための広域な場所(公園、広場など)を指す一方、避難所は、災害により自宅に戻ることが困難になった人々が一定期間生活を送るための施設(学校の体育館、公民館など)のこと。各自治体のサイトにしっかり記載されているので、まずは確認しておきたい。

続いて、どの警戒レベルで避難するかについて、多くの人々は、最も危険度が高い「警戒レベル5(緊急安全確保)」や「警戒レベル4(避難指示)」が発令されて初めて避難。70代は「警戒レベル3(高齢者等避難)」から避難する人が多く、概ね警戒レベルに応じて従っているといえよう。

しかし、「警戒レベルにかかわらず避難しない」が19%もいる。その理由として「避難場所より自宅の方が安全」(25%)、「避難場所はプライバシーがない」(15%)、「避難場所の衛生面や感染症に不安」「避難場所では個人のスペースの確保が難しい」(13%)となっていて、いずれの理由も高齢者の回答割合が高い傾向にあり、避難場所で気を使うことが早期避難を妨げる要因の一つになっているようだ。

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文=飯島範久

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