近年、韓国の若者たちの間では、「自分の性格&相手のタイプ」を気軽に、しかもミーム的に分類する新しいトレンドが広がっている。
それが「テト(テストステロン)―エゲン(エストロゲン)理論」だ。従来のMBTI診断や血液型診断に次ぐ、現代型の自己診断や性格分けのブームともいえる。
若者たちの共通言語として人気
「テト」こと「テトナム(테토남)」とは、「テストステロン男子」の略称。テストステロンは男性ホルモンの1つだが、実際にはホルモンの数値というより「リーダーシップがあり、行動的で直線的な性格」を持つ男性を指す言葉として使われる。
例えば、BTSのジョングクさんや、YouTuberのDexさんなどがそのイメージとしてSNSでは数多く言及される。
「エゲン」こと「エゲンニョ(에겐녀)」は、「エストロゲン女子」に由来している。エストロゲンは女性ホルモンだが、ここでの「エゲン」はフェミニンで調和を重視し、共感力に優れたタイプを象徴している。
TWICEのミナさんやLE SSERAFIMのカズハさんなどがこのタイプの例として紹介されることが多い。
この分類が韓国のZ世代でものすごい勢いで拡散している理由には、以下のような社会的背景がある。
SNSを中心にバズっていて、TikTokやInstagramでは「あなたはテト系? エゲン系?」というタイプ診断が軒並み登場。28問の診断に63万人以上が参加した例もある。
MBTI診断が飽きられた後の新たな若者たちの共通言語として、友人や恋人との話題づくりや自己紹介、理想の相手探しのツールとして浸透しているようだ。
「テトとエゲンのどちらの傾向が自分や相手に強いのか」を軽いノリで話すことで、コミュニケーションの「アイスブレイク」としても広く使われている。
バランスの良い現代的価値観を反映
実際にリアルで「テト/エゲン」分類が使われた事例も豊富だ。
女優のハン・ガインさんは、自身のYouTubeで「自分は完全なテト女、夫はエゲン男」と公開。またYouTuberのチャルス・エンターさんも「毛深いからテト女だ」と冗談交じりで語るなど、人気芸能人も自分自身や家族にこの理論をあてはめて盛り上がっている。
SNSやYouTubeのコメントも「エゲン男がテト女に惹かれる」「テト男とエゲン女は安定カップル」など、恋愛タイプ診断として楽しむ投稿が爆発的に増えている。
では、4つのタイプに分けて、比較してみよう(「著名人例」は一部SNS利用者のイメージによる)。

この「テト―エゲン理論」がウケているのは、「男女のステレオタイプ的なイメージを生かしつつ、それらに縛られすぎず、自分らしさも大事にする」バランスの良い現代的価値観が反映されているためだ。
恋愛や友情の相性診断ツールとしても新しく、診断テストの「名前付け」や口コミで急速に広がるミーム性もポイントだ。Instagramのストーリーやプロフィール、YouTube動画のなかで、軽く楽しく自己表現の一部として語り合われている。
「テト―エゲン理論」には、日本で言う「草食系/肉食系」「MBTIタイプ」以上のキャッチーさとクリエイティブさがあり、多様性や自己表現が求められる現代人のコミュニケーション観に合致する。日本でも、推し活や恋愛、SNSを楽しむ層にバイラル(口コミで急速に広がる)する可能性は十分に高いかもしれない。



