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2025.08.05 11:30

2025年8月に注目すべき「有望グロース株」6選、その基本データとポイント

Shutterstock.com

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2025年後半の株式市場は強気相場だろうか? そう考える投資家は少なくない。8月1日に米国が関税を引き上げ始めたが、S&P500種株価指数、ダウ平均株価、ナスダック総合指数はいずれも上昇基調にあり、新たな高値圏に近づいている。加えて、オッペンハイマー・アセットマネジメント、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、RBCキャピタルマーケッツといった金融大手は、2025年におけるS&P500の予想値を引き上げている。

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市場に楽観ムードが広がる局面では、グロース株が強い傾向がある。そこで本稿では、注目に値する6つの有望グロース株を紹介しよう。

グロース株の選定基準

S&P500構成銘柄のうち、以下の基準を満たすものを選定した。

1. 直近3年間の売上高がすべての年で成長し、かつその平均成長率が5%以上
2. 直近3年間における1株あたりの純利益(EPS)の平均成長率が10%以上
3. 今後5年間のEPS成長見通しが10%以上
4. 投下資本利益率(ROIC)が10%以上
5. 少なくとも10人のアナリストがカバーし、全体として強気評価を受けていること

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これらの基準を満たす銘柄を、EPS成長率の予測が高い順に並べ、上位6銘柄を選出した。

2025年8月に注目すべき有望グロース株6選

以下は、上記の基準を満たした6つのグロース株を示している(カッコ内はティッカーシンボル、時価総額は米国記事執筆時点)。

・ハウメット・エアロスペース(HWM):時価総額759億6000万ドル
・エヌビディア(NVDA):時価総額4兆3127億ドル
・モトローラ・ソリューションズ(MSI):時価総額717億7000万ドル
・アマゾン(AMZN):時価総額2兆4713億8000万ドル
・マスターカード(MA):時価総額5160億3000万ドル
・マイクロソフト(MSFT):時価総額3兆8091億8000万ドル

以下に各社の概要と注目ポイントを解説する。また、使用されているデータは、特記のない限り、各企業の報告書およびstockanalysis.comに基づく。

1. ハウメット・エアロスペース(HWM)

●基本データ
・株価:188.17ドル(米国記事執筆時点)
・売上成長年数:3年連続
・過去3年の売上成長率:14.1%
・過去3年のEPS成長率:62.2%
・今後5年間におけるEPS成長率の予測:24.6%
・ROIC:13.3%

●事業概要
ハウメット・エアロスペースは、ジェットエンジン用部品やファスナー部品などを航空宇宙・防衛業界に供給している。加えて、鍛造アルミホイールなどを物流業界に提供している。

●注目ポイント
好調な決算と明るい業績見通しにより、ハウメット・エアロスペースの株価は年初来で72.1%上昇している。

同社は、航空機および商用トラックの軽量化および高燃費効率を実現するための部品を専門としている。近年、航空機の製造活動は低調であり、航空会社の機材は老朽化が進んでいる。このため、メンテナンスの手間が少なく、燃費効率に優れた航空機に対する需要が高まっている。

ハウメットは、自社技術に対する旺盛な需要を最大限活用するため、業務の効率化に注力している。これは、営業利益率の改善、およびフリーキャッシュフローの増加という形で財務諸表にも表れている。余剰資金の一部は負債の返済に充てられ、残りは手元資金として残されている。

手元流動性の改善と負債の削減により、ハウメットの財務基盤は強化された。これを裏付けるように、フィッチは最近、同社の長期発行体デフォルト格付けをBBBからBBB+へと引き上げた。

ハウメットは2024年に調整後EPSを46%増加させたが、2025年にはさらに26.4%の増加を見込んでいる。

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翻訳=江津拓哉

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