キャリア・教育

2025.08.07 11:00

記憶に残る話し方にはコツがある──プレゼン・会議で効く7つの鉄則

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厳しい競争にさらされる現代のビジネス世界では、コミュニケーション能力は単なる技能ではなく、競争力の源泉だ。

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チームを率いている? 強いコミュニケーション能力は最重要の武器の1つだ。
製品を売り込みたい? 同上。もちろん同じだ。
就職面接に臨みたい? 同上。やはりコミュニケーション能力が重要だ。

ほぼすべての職場で、プレゼンテーションのスタイルこそが、影響力を獲得するか埋没するかを分ける決定要因となる。

ビル・マクゴーワンはそのことを誰よりも理解している。エミー賞を受賞したテレビジャーナリストでありベストセラー作家でもある彼は、ビジネス、テクノロジー、エンターテインメント、スポーツ、金融のトップ層にコミュニケーションの助言を行ってきた。アマゾン、メタ、ツイッター、リンクトイン、インスタグラム、スポティファイ、スナップチャット、エアビーアンドビーの創業者のほか、オスカー、エミー、グラミー受賞者やワールドシリーズ、スーパーボウル、オリンピックのチャンピオンらも指導している。

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彼の最新刊が『Speak, Memorably: The Art of Captivating an Audience』(記憶に残る話し方:聴衆を魅了する技術、未邦訳)だ。

数字よりも物語が人を動かす

テレビ報道の現場で得た経験は、現在彼がコーチとして伝える多くの教訓を裏付けている。たとえばマクゴーワンがABCの人気番組「20/20」で働いていた際、エグゼクティブプロデューサーが各コーナーの分刻み視聴率をスタッフと共有していた。スタジオの人物が物語を語るたびに視聴者の関心は跳ね上がった。統計よりもストーリーのほうがはるかに魅力的だとマクゴーワンは学んだのだ。

形式張った言い回しを避ける

凡庸から抜け出したいなら、マクゴーワンは形式張った言い回しを避け、明確性と簡潔性をもって伝えることを推奨している。そして機会あるごとに適切な物語を組み込むことを彼は勧める。

「初頭効果」と「終末効果」を意識した構成

プレゼンテーションのすべての部分が興味深く関連性を持つことは重要だが、マクゴーワンは心理学で「初頭効果・終末効果」と呼ばれる現象を強調する。人は列挙された項目の最初と最後を中間よりも記憶しやすい。つまり、最も強力なストーリーや事実、課題は冒頭か締めに配置すべきだという手がかりとなる。

「簡潔さ」の威力

シンプルさの威力を示すため、マクゴーワンはあるCEOの逸話を紹介する。同社が苦境にあった際のインタビューで、「なぜ御社のIPOは競合より振るわなかったのか」と問われたCEOは、市場や評価額を責める代わりに「我々が失敗したのは、小さなナプキンの裏に収まる物語を作れなかったからだ」と答えた。

マクゴーワンは、コミュニケーション関係のクライアント向け講演で、この話を冒頭に使った。そして話全体を貫く共通テーマとして「簡潔性」について語った。

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翻訳=酒匂寛

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