経営・戦略

2025.08.09 15:45

MIKI HOUSEの海外展開に学ぶ、「語られる」ブランドのつくりかた

MIKI HOUSE AMERICAの竹田欣克社長

「日本らしさ」の新定義:押しつけではなく、価値の融合 

MIKI HOUSEの海外展開で最も注目すべきは、「日本らしさ」の伝え方における新しいアプローチだ。竹田社長は「日本文化の『押しつけ』ではなく、日本の卓越したモノづくりや、クオリティへの徹底的なこだわりへの魅力を伝えることに重きを置いています」と明言する。

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同社のブランドアイデンティティにおいて、「お子様の健やかなご成長のために必要なクオリティの追求をするブランドである」という側面が最も重要であり、そのポリシーを担保する一つのコンセプトして、日本ブランド(日本製)であるということを謳う、という位置づけになっている。

これは従来の「日本文化ありき」のアプローチとは一線を画す戦略的転換と言える。 現地での実践においても、この哲学は一貫している。

「当社の場合は、Plaza店もTangram店も、日本の商品やサービスに慣れ親しんだ方々がお客様に多いゆえ、その『期待値』を上回るサービスを施すようにしています」(竹田氏)

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具体的な「おもてなし」の実践も挙げる。 「妊婦さんでも安心してお座りいただけるソファを店内に配置したり、店舗を訪問してくださったお客様にはサッとお水をお渡ししたり、フリーのギフトラッピングを提供したりしています。また、必要に応じて、お客様のホテルやお住まいに商品をお届け(Same Day Delivery Service)もしますし、アメリカに在庫がない商品であっても、日本から直送の形でお客様にお届けするサービスも行っています」

これらのきめ細やかな、”日本的なおもてなし”の精神が、徐々にコアファン層に浸透しつつあり、こうしたファン層が、口コミやSNSを通じて、潜在顧客にサービスの魅力を伝えているという好循環を生み出している。

竹田社長は、現地への価値の融合について「現地の価値観というのは、狭義には現地の子供服に対するニーズと読み替えることができると思いますが、まずはそうしたお客様のお声を真摯に汲み取った上で、織り込んでいく(Blendする)ことだと考えています」 と語る。この「Blend」アプローチが、従来型とは異なる日本企業の新たな海外戦略といえるだろう。

次ページ > 日本企業が学ぶべき「グローバル市場での価値創造法則」 

文=日野江都子

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