宇宙

2025.08.02 10:00

油井宇宙飛行士の打ち上げ成功、大西船長が待つISSへ 待望されるJAXA補給機の初キャッチ

(c)NASA

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日本時間8月2日午前0時43分、油井亀美也宇宙飛行士を乗せた宇宙船クルードラゴンが、ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)から打ち上げられた。

油井氏が搭乗した宇宙船クルードラゴンは2025年8月2日、ファルコン9の最頂部に搭載され、ケネディ宇宙センターのLC-39Aパッドから打ち上げられた
油井氏が搭乗した宇宙船クルードラゴンは2025年8月2日、ファルコン9の最頂部に搭載され、ケネディ宇宙センターのLC-39Aパッドから打ち上げられた

打ち上げから9分40秒後、秒速7.5kmに達したクルードラゴンは、ファルコン9ロケットの第2段から切り離され、高度200kmのパーキング軌道(一時的な待機軌道)に投入された。このあと同機はさらにスラスター(推進装置)を噴射し、ISS(国際宇宙ステーション)が航行する高度約420kmまで上昇する。打ち上げから約15時間後の2日16時頃、同機は自律的にISSにドッキングし、その45分後にはハッチが開放される予定だ。その様子はNASAによってライブ配信される。

ファルコン9の第2段から切り離されたクルードラゴン(c)NASA
ファルコン9の第2段から切り離されたクルードラゴン(c)NASA

クルードラゴン「エンデバー号」は再利用型の宇宙船であり、今回が6回目のフライトとなる。同機はこれまでに約700日間にわたり宇宙に滞在した履歴を持つ。これを打ち上げたファルコン9の第1段ブースター(B1094)は3回目の使用だった。

日本人宇宙同時滞在

今回の第73/74次長期滞在は、油井氏にとって2度目、10年ぶりのミッション。前回(2014年11月打ち上げ)はロシアのソユーズ宇宙船(TMA-15M)で渡航したため、クルードラゴンへの搭乗は今回が初めてとなる。

現在ISSには大西卓哉氏(72/73次)が船長として着任しており、油井氏を出迎えることになるが、この対面によって4回目の「日本人宇宙同時滞在」が実現する。正規の宇宙飛行士としては、2010年に山崎直子氏(STS-131)と野口聡一氏(23次)がISSで対面し、2021年4月には野口氏(64/65次)と星出彰彦氏(65/66次)が同時滞在を果たした。宇宙旅行者である前澤友作氏と平野陽三氏(2021年12月)を含めると、今回の油井氏と大西氏の対面は3年7カ月ぶり、史上4回目となる。油井氏の到着から3日後の8月5日以降には、大西氏を乗せたクルードラゴンはISSから切り離され、地球に帰還する予定だ。

JAXA所属の油井亀美也宇宙飛行士。カリフォルニア州にあるスペースXの訓練施設にて(c)SpaceX
JAXA所属の油井亀美也宇宙飛行士。カリフォルニア州にあるスペースXの訓練施設にて(c)SpaceX

また、油井氏はISS長期滞在ミッションの25周年をISS船上で迎えることになる。ISSの建設が始まったのは1998年だが、クルーの長期滞在ミッションは2000年11月に開始された。油井氏のクルー11のメンバーを含めると、この四半世紀で同ミッションに参加した宇宙飛行士は延べ245名にのぼる。

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編集=安井克至

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