ソフトウェア開発者は人工知能(AI)ツールを好んで使う。そして、その熱意は、AnysphereのCursor(カーソル)、Anthropic(アンソロピック)のClaude Code(クロード・コード)といったAIコーディングツールに多額の費用をつぎ込むことにつながっている。しかし、これらのツールの頻繁に変わる料金プランは、彼らを悩ませている。
AIツールの料金変更に対する不満
Cursorの利用者は今月初め、突然の予期せぬ請求に困惑した。従来月額20ドル(約2960円)のサブスクリプションプランの内容を変更し、無制限だったモデル使用量に上限を設け、それを超えると追加料金が発生するように変更したためだ。3件のプロンプトを入力する前に利用の上限に達してしまう例もあり、料金の変更が「不透明」で「不誠実」と批判する声もあがった(Cursorのマイケル・トゥルエルCEOは後に、この料金プランの変更について謝罪した)。
また、AnthropicがClaude Codeについて、週あたりの利用制限を密かに導入した際も、ヘビーユーザーは困惑し、同社の利用量の計算が不正確だと訴えた。
AIコーディングエージェント「Cline」の目的
AIコーディングエージェント「Cline(クライン)」の創業者兼CEO、サウード・リズワン(28)によると「不透明な料金体系に不満を持つプログラマーは急増している」という。彼らの多くは結局、月額200ドル(約2万9600円)ものサブスクリプション費用を支払う羽目になり、他のAIプロバイダーの新たなモデルを試す余裕がなくなってしまう。
そこでリズワンは2024年10月、AIサービスの請求をより透明化し、開発者が多様なAIモデルに手頃な価格でアクセスできるよう支援することを目的にClineを立ち上げた。
Visual Studio Codeの拡張機能
Clineは、マイクロソフトのコードエディターVisual Studio Code(VS Code)の拡張機能として公開されており(VS Codeから派生したCursorでも動作)、開発者が任意のAIモデルの制限を気にせずに利用できる環境を提供する。Anthropic、グーグル、OpenAIなどAIモデルの提供企業に対して、開発者は「推論(inference)」と呼ばれるAIモデルの実行コストを直接支払い、その際Clineは各リクエストごとのコストの内訳を詳細に表示する。
👋 How to start using Cline in 2 minutes
— Cline (@cline) March 12, 2025
(step-by-step thread 🧵) pic.twitter.com/5IBj0nboIR
オープンソースソフトウェアならではのメリットを強調
また、Clineはオープンソースソフトウェアとしてソースコードが公開されているため、利用者はClineがどのように動作し、どのように構築されているかを誰でも確認でき、なぜその料金が発生しているのかを正確に理解できる。「ユーザーは、Clineの内部で何が起きているのかを確認できるが、他のクローズドソースのAIコーディングエージェントではそれができない」と、Clineのプロダクトマーケティング責任者のニック・バウマンは指摘した。
Clineの機能と仕組み
Clineのシステム自体は他のAIコーディングツールと似ている。開発者は平易な英語でClineにプロンプトを入力し、必要なコードと使用するAIモデルを指定する。するとシステムはファイルを読み込み、コードベースを分析し、コードを生成する。またその付加価値は、開発者が正確な利用料金を把握でき、特定のコーディング作業ごとに自由にAIモデルを選択できる点にある。



