米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する6月のインフレ指標が米国時間7月31日に発表され、予想を上回る上昇を示した。これにより、今後FRBが利下げに踏み切るのかどうかに注目が集まっている。最新の会合では利下げが見送られていた。
31日に米商務省経済分析局(BEA)が発表したデータによると、6月のコア個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.8%の上昇となり、FactSetがまとめた市場予想の2.7%を上回った。
コアPCEはFRBが物価動向を判断する上で最も重視している指標であり、変動の大きい食品とエネルギーを除外して算出される。これでFRBが目標とする2%の水準を52カ月連続で上回ったことになる。
上記の項目を含めた全体のPCE物価指数(ヘッドラインPCE)は前年同月比で2.6%となり、5月から0.3ポイントの上昇となった。これも市場予想の2.5%を上回っている。
注目されるのは、9月のFRB会合で利下げが実施されるかどうかである。7月の会合では利下げは見送られたが、ジェローム・パウエルFRB議長はその際、9月の方針についてはまだ決定していないと述べていた。パウエルは7月30日、長期的なインフレ期待を「しっかりと抑える」ことがFRBの「責務である」と強調し、現行の金融政策は「インフレリスクに備えるという点では適切だ」と述べた。そのうえで、米政府の関税政策が経済およびインフレ率に与える影響は「今後の状況を見極める必要がある」とも付け加えた。
なお、今回の政策決定においては、2人の理事が金利を現行の4.25%〜4.5%の範囲で据え置くことに反対票を投じ、0.25ポイントの利下げを主張した。これは1993年以来、FRBの会合における初の反対票であった。
CMEのFedWatchツールによれば、9月に0.25ポイントの利下げが行われる確率はおよそ39%とされており、10月会合では利下げの確率が60%に上昇すると予測されている。
FRBがコアPCEを重視するのは、米労働統計局(BLS)が発表するデータよりも、米国民の消費行動をより正確に反映していると考えられているためである。BLSによる最新の統計では、6月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.3%上昇の2.7%となり市場予想を上回った。一方、コアCPIも前年同月比で2.9%の上昇となったが、こちらは予想をやや下回った。
経済学者たちは、ドナルド・トランプ米大統領が打ち出した広範な関税政策が今年、米国の消費者物価を押し上げると警告する。中には、2025年末までにインフレ指標が大幅に上昇するとの予測もある。
例としてUBSのアナリストは、今年12月にはコアCPIが2024年1月につけたピークと同水準にあたる3.9%にまで達すると予測している。また、バンク・オブ・アメリカのエコノミストは、コアPCEが3.1%まで上昇するとの予測を発表している。



