キャリア

2025.08.05 14:15

氷河期世代はなぜ「働かないおじさん」になるのか? 脱マンネリ・キャリア再開発のヒント

法政大学キャリアデザイン学部教授でプロティアン・キャリア協会代表理事の田中研之輔氏

そうして活動の場を地方へと広げたケースもあれば、自らの専門分野のすぐ近くにある領域に手を広げ、独自のキャリアを形成していくケースもある。

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パナソニック出身のLSPメンバー田村史生氏は、同社で約30年にわたり人事を担当した経験を生かし、コーチングの上級資格やキャリアコンサルタントの国家資格を取得した。その後、社内の有志とともに社員の相談に乗る「おせっかいセッション」を立ち上げ、より気軽に相談してもらおうと、昼休みに無料の手相鑑定を実施。3年間で延べ2000人と対話し、副業として社外でもコーチングを始めた。

こうした活動を通じて田村氏は、自分のやりたいことは、人とは少し違う自分なりのやり方で誰かを応援し、感動させることだと気づき、2023年に独立。コーチングやセミナー講師、手相鑑定サービスなどを提供する企業「Osekayers(オセッカイヤーズ)」を設立し、活躍している。これもまさに自分軸でキャリアを開拓した結果、人生を豊かにした好例だ。

「毎日の歯磨きのように」キャリアを磨く

これまで紹介したケースは、大企業の出身者によるものだが、日本企業の99.7%を占めるのは中小企業だ。田中氏は中小企業で働くミドルシニアも、キャリア開拓を行うべきだと語る。

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「自分の専門性を囲い、仕事の境界線を固定しないことがとても大切です。自分には関係ないと思わず、まずは行動してほしい。検索窓にキャリア開拓に関するワードを入れ、出てきたコンテンツをチェックしたり、生成AIとこれからの働き方や生き方について壁打ちすることでも、日常の中で新たな景色が見えてきます。毎日の仕事や生活を、自ら開拓していくのです。

先行き不透明な時代、ビジネスパーソンにとって最大のセーフティネットは、キャリアの知見です。それらを使って自身のキャリアに向き合ってほしい。すべてのミドルシニアが歯磨きのように毎日の習慣として、当たり前のようにキャリアを磨いていくようになることを願っています」(田中氏)

田中研之輔 (たなかけんのすけ)◎ 法政大学キャリアデザイン学部 教授、プロティアン・キャリア協会 代表理事。専門はキャリア論、組織論。著書38冊。大学と企業とをつなぐ連携プロジェクトも数多く手がける。


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文=尾田健太郎 編集=大柏真佑実 撮影=西川節子

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