LinkedInがスライドシェア提携を強化 売上100億円突破へ

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LinkedInはビジネスプロフェッショナルと、キャリア形成に必要な知識とを結びつけるサービスの実現に向けて、また新たな一歩を踏み出した。

8月20日、LinkedInはSlideShare上でファイルの編集や共有を行うための新しいツール「Clipping」を公開した。現在、SlideShareのプラットフォーム上には、プロフェッショナル向けのスライドや動画が約1,800万件登録されている。

Clippingは無料で使用でき、ユーザーが何かを調べるときなどに、従来より簡単にスライドを整理することができる。また、プレゼン資料の共有は、スライド単位でもファイル全体でも可能で、LinkedInや他のSNS、メールで可能だ。LinkedInのユーザーは公開したスライドで最も人気が高いものなどをハイライトすることができ、プロとしてのアイデンティティを確立するのに役立つ。情報の信頼性を高めるために、LinkedInはSlideShareのコンテンツと、作者のLinkedIn上のプロフィールの連携をより深化させたという。

SlideShareのプロダクトチームを指揮するLinkedInのCaroline Gaffneyは「SlideShareのトラフィックの80%以上は検索経由であり、Clippingによって他のソースからスライドを発見するのが更に簡単になる」と話している。

SlideShareの月間アクティブユーザー数は約7千万人で、登録されているコンテンツの数は、2013年から約2倍に増えている。LinkedInは2012年5月にSlideShareを買収。今回、そのサービス名称を『LinkedIn SlideShare』に変更したことを明らかにした。

「SlideShareで共有されるスライドは本当に価値があるものです。今回の試みでその知識がさらに開放され、情報がよりパワフルなものになります」とGaffneyはフォーブスのインタビューに答えた。
「我々は、ユーザーが簡単に最適なコンテンツを探し出し、作者のプロフィールをLinkedInで確認し、情報の信頼度を確認できる機能の開発に取り組んでいます」

LinkedInはSlideShareの買収以来、ユーザーがネットワーク上でプロフェッショナル向けの知識にアクセスできる機能を拡張してきた。今年初めには、オンライン学習サービスのLynda.comを15億ドル(約1,826億円)で買収している。これにより、LinkedInはネットワーク上で6,800のオンラインコースを提供し、2015年の事業売上は9,000万ドル(約110億円)になる見込みだ。

LinkeInは職探しのためのサービスから脱出したいと考えており、教育分野における取組みはこの方針を明確にしている。

Clippingによりユーザーは学びたいトピックの一部や概要を先に見て、スライドが自分に役立つものかどうかを即座に判断できる。Gaffneyは「これまでLinkedInの教育サービスで提供できていなかった機能を埋めることができた」と話す。ユーザーがその分野についてもっと知りたい場合、Clippingを経由してSlideShareに登録されているスライドを見たり、Lynda.comで更に掘り下げたオンラインコースを受講することもできるという。

SlideShareで最も人気があるのは、プログラム言語、SNSマーケティング、iOSアプリの作り方などのテクノロジー分野で、その次に人気なのが、ビジネス全般や、スピーチ術といったリーダーシップ・スキルだという。

LinkedInがClippingを開発した動機は、ユーザーがLinkedInの同僚や仲間とスライドをシェアする際に、煩雑な手間をかけていることに気づいたからだ。また、「画像共有プラットフォームに対するユーザーのエンゲージメントの高さにも触発された」とGaffneyは話す。

LinkedInは、ユーザーがスライドを整理したり、SlideShareに登録されているコンテンツを探したり、スライドを制作して自身のプロフェッショナルとしてのブランド力を高めることが簡単にできる新機能を今後追加していくという。

GaffneyによるとLinkedInは現在、スライドに注釈を付けたり、LinkedInに掲載されているスライドの作者やインフルエンサーのプロフィールや投稿をクリッピングできる新機能を開発中だという。

文=キャサリン・チャイコフスキー(Forbes)/ 編集=上田裕資

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