FRBの利下げを市場はどう予想しているか
ファクトセットによると大半のエコノミストは、FRBは経済状況が悪化した場合に機動的に対応できるように当面は利下げを見送るとみている。一部では9月の次回FOMCで利下げに踏み切るとの観測もあり、金利先物の値動きから政策金利を予想する「フェドウォッチ」によれば、同会合で0.25ポイントの利下げが行われる確率は足元では40%強となっている。
トランプは利下げについて何と言っているか
トランプは2期目を通じてパウエルを繰り返し批判しており、利下げに応じないことを理由にパウエルの後任任命を検討しているとも報じられている。
トランプは先週、カメラを入れてFRB本部を視察した。その後、パウエルと「金利についてとても良い会談ができた」と説明し、パウエルから伝えられたとする「米国はうまくいっている」という言葉を引き合いに「彼は利下げを勧め始めるつもりだろう」と主張した。
かねてFRBに政策金利を1%まで引き下げるよう求めているトランプは、パウエルは「正しいことをするだろう」と再び圧力をかけた。「ちょっと遅すぎるかもしれないが」と言い添えるのも忘れなかった。
利下げに対するFRBのスタンスは
パウエルは今月、利下げのタイミングに関して「どの会合も除外しないし、特定の会合を念頭に置いてもいない」と述べ、今回のFOMCで利下げする可能性も排除はしていなかった。
6月の前回FOMCでは、FRB当局者の「大半」が2025年内の利下げを見込んでいた。FRBは3月時点で、年内に0.25ポイントの利下げが2回行われるとの見通しを示していた。
トランプによるパウエルの解任はあり得るのか
トランプはパウエルの交代を内々に検討していると報じられているものの、表向きは解任しない意向を示している。パウエルは2017年にトランプによってFRB議長に指名され、議長としての現任期は2026年5月までとなっている。
スコット・ベッセント米財務長官は今月、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、パウエルの後任を選ぶ「正式なプロセス」がすでに始まっていると語った。パウエルの理事としての任期は2028年1月まで残っているが、ベッセントは議長任期が切れる時点でパウエルは理事も退任すべきだと主張した。
トランプは6月、パウエルの後任候補として「3〜4人」を検討していると明らかにしている。候補にはケビン・ハセット国家経済会議(NEC)委員長、ケビン・ウォーシュ元FRB理事、デイビッド・マルパス前世界銀行総裁、ベッセントらの名前が挙がる。
仮にトランプがパウエルを解任した場合、大統領が政策上の不一致を理由に独立連邦機関の委員を解任することはできないとした1935年の連邦最高裁判例に抵触するとみられる。とはいえ、トランプは2期目の任期中にすでにこの判例に反し、連邦取引委員会(FTC)や全国労働関係委員会(NLRB)の民主党系委員を解任している。


