最大級の成功を収めた経営者は、単に優れた戦略を持っているだけではない。絶対に譲れない朝の習慣とともに1日をスタートさせ、より良い日々を送っている。
月並みな起業家は、起床するとすぐにスマートフォンの通知を確認したり、他者のニーズに素早く応じたりして、受け身の状態に入る。これに対して超一流の経営者は、朝の時間を完全に自分のものにしている。
大きな成功を収めた経営者は、世界が目覚める前に起き出し、自分のための時間を確保する。ただしそれは、ニュースを読んだり、メールに返信したり、ソーシャルメディアを閲覧したりするためではなく、最高の仕事ができるよう心と体を整えるための時間だ。
成功を収めて多額の報酬を得ている人たちは、朝の時間を最優先で自分のために確保し、目的を持って活用している。では、彼らと同じように朝を活用するにはどうすればいいのかをお教えしよう。
月並みな経営者と超一流経営者との違い
1. 世界より先に目を覚ます
大成功を収めた世界有数の経営者たちは、世界を相手に注意や関心を競い合うようなことはしない。自分の時間を生み出すために早起きをして、1日のはじまりの時間帯を、外部からの要求に邪魔されないようにしている。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が早朝5時に起床するのは有名な話だ。ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長も、タイムゾーンに関係なく常に朝5時に目を覚ます。自虐的なわけでも、自分に無理強いしているわけでもない。自らそう選択している。
世界が慌ただしくなる前に起床すれば、自分のペースで動けるし、何かに反応するのではなく、主体的に行動できる。注意を向けるべきことは何かを自ら判断でき、他から指図されることはない。
2. 意識的に体を動かす
心を導くのは身体だ。一流の起業家は、この根本的真理を理解しており、起床したら真っ先に体を動かしている。明晰な頭脳や感情的なレジリエンス、創造的思考はすべて、身体を動かすことから始まることを理解しているのだ。
シェイプアップ下着ブランドのSpanx(スパンクス)創業者サラ・ブレイクリーは、起床したらまずヨガをする。スターバックスのハワード・シュルツCEOは、夜明けとともにジムに向かう。司会者オプラ・ウィンフリーは、朝食前にジョギングをする。
運動をすると、脳内に生産的な化学物質が放出されるので、その日1日の仕事を最高の状態でこなせるようになる。激しい運動を20分間行うと、非常に重要な意思決定を下すために最適な状態が整う。
3. その日1日を思い描く
月並みな経営者は、起きたらすぐさま、その日のTo-Doリストに着手する。超一流の経営者はまず、1日が完璧に進行していく様子を頭に思い描く。その日にやるべき大事な仕事をパーフェクトにこなし、課題を難なく乗り越え、最高の結果を出す自分自身をイメージする。
マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、集中して考える時間を持ってからでないと、会議には出席しない。また、「think weeks(考える週間)」と称した期間を定期的に確保し、情報を遮断して、読書と深い思考に専念する。
行動を起こす前に意図的に思考すれば、ペースが乱されることが減る。頭の中で1日の流れを予習すると、脳がプログラミングされるので、チャンスを見極め、自分のビジョンに沿った決断を下せるようになるのだ。
5分間の時間をとって、1日の流れを頭のなかでイメージしよう。そうするとロードマップが完成する。気が散ることが否応なしに起こったとしても、集中力を維持できるようになる。



