スポーツ

2025.08.02 15:15

大谷翔平が変えた日本スポーツの熱狂、「球界の盟主」がドジャースとなった2024年

Photo by Harry How/Getty Images

今回のニールセンの調査結果は、日本のスポーツ界が今、大きな転換期にあることを示している。かつては国内リーグや日本代表チームが人気を独占していた時代から、グローバルなスター選手の活躍が、海外チームの人気を爆発的に押し上げる時代へ…。この変化は、日本のスポーツ界にとって脅威である。国内リーグのファンが海外リーグへと流出し、その魅力が相対的に低下する可能性があることだ。JリーグやNPBは、引き続き地域密着を強めつつも、国際的な競争力を高め、世界に通用するスター選手を育成・輩出する努力がこれまで以上に必要となっている。

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こうしたケースでは指を加えて眺めるというのが日本のビジネスがこれまで歩んで来た道であり、それがゆえに国際的競争力を失って来た。日本スポーツ界はこの現象をチャンスに変えるべく、日本のスポーツコンテンツを海外に販売する、海外のトップリーグと連携し協業に取り組む…などなどの多様なグローバル戦略を繰り出すべき時代がやって来たわけだ。大谷がドジャースの人気を日本で高めたように、日本の選手が海外で活躍することは、その選手が所属する海外チームだけでなく、日本のスポーツ全体への関心を喚起する。これは、日本のスポーツブランドを世界に発信する機会でもあり、新たなビジネスモデルや収益源を開拓するきっかけにもなり得る。そして、そうしなければ、日本スポーツ界の地盤沈下ともなりかねない。

長らく「球界の盟主」として君臨して来た巨人は、22年に人気ナンバー1の座をエンゼルスに譲った。そして今、ロサンゼルス・ドジャースが日本で最も人気のあるスポーツチームとなった「大谷現象」は、単なる一過性のブームではない。それは、スポーツファンの嗜好が多様化し、グローバル化が進む現代において、スタープレイヤーの「個の力」が持つ圧倒的なマーケティング価値と、それがスポーツビジネス全体にもたらす可能性を鮮やかに示した。日本のスポーツ界は、この変化を真摯に受け止め、従来の枠にとらわれない柔軟な発想と戦略を持って、新たな未来を切り拓いていく必要がある。

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